第54話 ヘンゼルとグレーテル

書かせていただきます。


【簡単な作品紹介】

『グリム童話集』の編集者として知られる、グリム兄弟の一編。


【数行で読める、あらすじ】

中世ヨーロッパ。長引く飢饉のため、木こりの夫婦はヘンゼルとグレーテル兄妹を森に捨てた。

 ヘンゼルは月の光に輝く石をたよりに家に帰ってきたが、状況は変わらなかった。

再び兄妹は捨てられ、兄妹は森を彷徨った末、お菓子の家を見つけ、安住しようとする。

しかし、おかしな家にいたお婆さんの正体が魔女と判明。兄弟は食べられそうになり、絶体絶命の危機に陥る。

ヘンゼルは骨で自分の太り具合をごまかすなどして、切り抜けようとするが、時間稼ぎにしかならない。

最終的に?グレーテルが魔女を殺し、危機を切り抜けた兄妹は家に帰る。

家に帰ると、飢餓に関する問題が解決していたので、今度は捨てられずに済み、問題は解決しましたとさ。


【作品の特徴】

綺麗な「三幕構成」になっている。


第一幕: 兄妹は家にいられなくなる。ヘンゼルは家に帰れる工夫をこらすが、失敗する。


第二幕: 兄妹は森を彷徨い、お菓子の家を見つけ、安住しようとする。が、お婆さんの正体が魔女と判明し、絶体絶命の危機に陥る。


第三幕:グレーテルが魔女を殺す。兄妹は成長し、問題が消える。


こうした物語に幼少期から馴染んでおくと、映画やドラマをちゃんと楽しむセンスが身につくと思うよ。


その他に興味深いのは兄のヘンゼルは問題を解決しようと工夫するものの、どれも問題の先送りでしかなっていないところだ。

最終的に解決したのは、ずっと泣いてばかりのグレーテルだった。

この点は、プロットの面白さに繋がっていて、良いと思う。


【作品の見どころ】

やはりお菓子の家のインパクトが強烈。なかなか思いつかないと思う。素晴らしいアイデアだ。


子供の夢が詰まっていて童話らしいし、お話を面白く彩っている。


その他にも、ヘンゼルが知恵を絞るシーンや、魔女の存在、魔女に食べられそうになる兄妹など、見どころしかないと言って良いほど、印象的なシーンが多い。


非常に完成度の高い童話で、筆者はグリム童話の中では本作が一番好きである。


後の世にも語り継がれてほしい一編だ。


【終わりに】

今日の解説は、こんなところかな。異論や反論や要望があれば、感想に書いてね。加筆修正しますよ。


ちなみに、記事の内容や、取り上げる作品は、私の独断と偏見が強いので、あしからず。


それじゃ、今回はこんなところで、さよなら、さよなら、さよなら。


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