第29話 貧しき人々(ドストエフスキー作)
書かせていただきます。
【簡単な作品紹介】
ロシアの文豪、ドストエフスキーのデビュー作。
1846年、ドストエフスキーが25歳のときに発表した作品で、発表当時は絶賛されたそうな。
【数行で読める、あらすじ】
主人公のマカール・ジェーヴシキンは、貧しい中年役人。
マカールは服がぼろぼろで、職場で恥ずかしい思いをしていた。
金を貸してくれる人を探し回るものの、担保がなくて断られ、なんとか副業を見つけて生活を立て直していたところ、文通相手のワルワーラから、金持ちのブイコフと結婚するとの報告が届く。
マカールは、ワルワーラが行ってしまったら死んでしまう、と手紙で嘆くのだった。
【作品の特徴】
書簡体小説と呼ばれる形式の作品で、貧しいマカールとワルワーラが、手紙でお互いの近況を報告し合いながら、物語が進む。
語り手が交互に変わりながら話が進むので、ちょっと複数な構成をとっているものの、基本的にはマカールとワルワーラの二人の動向を追いかければいいので、お話自体は理解しやすい。
手書きの手紙でやり取りをするという文化は、現代人には馴染みがないものだけれども、だからこそ、文通がコミュニケーションの手段だった時代の文化的資料として、価値のある作品とも言える。
登場人物の気持ちを手紙に書き綴る形式は、ノスタルジックで風情があって、個人的には好きかな。
【作品の見どころ】
主人公の心理描写が見所。
主人公のマカールは、17歳から30年役所勤めをしている設定なので、47歳。現代の価値観では中年だけれども、作中では老人扱いされている。
昔の人は老けるのが早かったのか、それとも平均寿命が短かったせいか、40代後半はもう老人だったらしい。
この点は、当時と現代の価値観の違いが現れていて、面白いかも。
物語はマカールが貧乏なせいで尊厳を傷つけられた末に失恋するという内容なので、延々とおっさんの嘆きが続き、読んでいて気が滅入るけれども、心理描写が丁寧でリアリティがあるので、結構面白く読める。
心と時間に余裕がある時に、読むのがおすすめかな。
【終わりに】
今日の解説は、こんなところかな。異論や反論や要望があれば、感想に書いてね。加筆修正しますよ。
ちなみに、記事の内容や、取り上げる作品は、私の独断と偏見が強いので、あしからず。
それじゃ、今回はこんなところで、さよなら、さよなら、さよなら。
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