第21話 オルノーコ(アフラ・ベイン作)

書かせていただきます。


【簡単な作品紹介】

アフラ・ベインは、イギリス文学史上で、最初の女性職業作家と言われている。知る人ぞ知る作家さんだ。

代表作で、今回取り上げる「オルノーコ」は、イギリス文学史上、黒人奴隷を初めて主人公にした小説だ。これまた知る人ぞ知る名作。

というか、知らない人の方が多いと思う。それは悲しいので、今回、取り上げることにした。


【数行で読める、あらすじ】

主人公のオルノーコは、イモインダという女性と恋仲になり、結婚を誓い合う。

ところがオルノーコは戦場で罠には待って捕まり、戦争奴隷として売り出されてしまう。

二度と恋人と会えないかと思ったが、なんとイモインダも奴隷として売りに出されており、その売り先がオルノーコと同じであったので、二人は奇跡の再会を果たす。

再会を喜び合う二人だったが、二人の前にオランダ帝国という、強大な敵が立ち塞がるのだった。

果たして二人の運命は。


と言うお話。


【作品の特徴】

作者が登場人物として出てきて、語り手を担当するという形式。


つまり作者が見聞きした話を小説にした、という体裁になっている。


こういう実録めいた小説の形式は、リアリティを出すために古典小説ではよく使われた技法だったりする。ドストエフスキーの白痴とかもそうだね。


物語の内容としては、やはり黒人奴隷を主人公にして、白人の植民地統治や奴隷貿易の非道やキリスト教の欺瞞を批判的に書いている点が、先駆的で良い。


現代でも通じるテーマであり、現代の読者でも興味と関心を持って読書ができる点は、素晴らしいところ。


作品が書かれた時代を考慮すると、作者の慧眼には恐れ入るばかりだ。



【作品の見どころ】

エンタメとして見ても、優れた点は多いかな。


主人公とヒロインと恋、戦場の描写などが話を盛り上げて、読者を飽きさせない。


十七世紀の植民地支配の様子が、リアリティあふれる筆致で書かれているので、歴史的な資料としても価値がある。


知名度の低さが信じられないほどの名作だから、興味を持った人は読んでみる事をお勧めするよ。


翻訳が岩波文庫で出てるから。



【終わりに】

今日の解説は、こんなところかな。異論や反論や要望があれば、感想に書いてね。加筆修正しますよ。


ちなみに、記事の内容や、取り上げる作品は、私の独断と偏見が強いので、あしからず。


それじゃ、今回はこんなところで、さよなら、さよなら、さよなら。









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