第22話 フランケンシュタイン(メアリー・シェリー作)

書かせていただきます。


【簡単な作品紹介】

有名な、フランケンシュタインの怪物が出てくる話。ハロウィンの仮装で着る人は必ずいるし、映画にもなっているから、怪物の姿を知らない人はいないと思う。

けれど怪物の知名度ばかりが先行していて、物語そのものを読んだことのある人はあまりいないはずだ。

それは悲しいので、今回この場でご紹介。


【数行で読める、あらすじ】

ヴィクター・フランケンシュタインは、大学でヴァルトマン教授に出会って弟子になり、解剖学を研究する。

フランケンシュタインは、物体に生命を与える研究を行い、怪物を作り出したが、怪物は一人でに動き出して、そのまま失踪する。

その後、怪物はフランケンシュタインの弟のウィリアムを殺害。フランケンシュタインが動機を怪物に尋ねると、『復讐だ』と言う意味合いのことを話す。

怪物は、自分のために伴侶の女を創造したら二度と姿は見せない、と言うので、フランケンシュタインは条件を飲む。

が、フランケンシュタインは約束を守らなかった。すると怪物は怒り、フランケンシュタインの妻であるエリザベスを殺す。

これを逆恨みしたフランケンシュタインは、怪物を殺すために復讐の旅に出るのだった。



【作品の特徴】

フランケンシュタインが語った話を、ロバートという人物が聞いて手紙に書いた、という形式の一人称。


作品のジャンルはホラーと言って良いけれど、怖さよりも悲劇性の方が強い作品かな。


作中に出てくる怪物は、けっこう理知的で話が通じる相手なので、そんなに怖くない。殺人を犯しているとはいえ、きちんと理由があるので、怪物に同情することはあっても、怒りや恐怖は湧かないと思う。


むしろ酷いのは、怪物を作ったフランケンシュタインの方だろう。


特に理由もなく、興味本位で怪物を使った挙句、何も証拠がないのに怪物がウィリアムを殺したと信じたり、怪物との約束を一方的に破ったりしている。


そのくせ、怪物が約束が違うと怒ってフランケンシュタインの妻を殺したら、フランケンシュタインは自分の悪事を棚に上げて怪物を恨み、復讐しようとするのだから、救いようがない。


総じて、フランケンシュタインのマッドサイエンティストっぷりが強調されていて、怪物は悲劇的な人物として書かれている。


これは怪物を恐ろしい存在として書きがちなホラー作品としては異色で、面白い読み味を生んでいる、と言えるだろう。


【作品の見どころ】


やはりフランケンシュタインの怪物は、見どころとして外せない。

ドラキュラや狼男と並ぶ、定番の古典的モンスターだ。

人造人間というアイデアは、後世のフィクションに影響を与えてもいて、古典としての価値は極めて高い。


作品のテーマとしても、興味本位で怪物を作ってはいけないとか、人を見た目で判断してはいけないとか、現代にも通じる倫理の問題提起をしていて、古びていない。


古い作品なので読み難いところはあるものの、現代でも読む価値は十分にあると言える。


興味のある人は、手に取って見てはいかがだろうか。


【終わりに】

今日の解説は、こんなところかな。異論や反論や要望があれば、感想に書いてね。加筆修正しますよ。


ちなみに、記事の内容や、取り上げる作品は、私の独断と偏見が強いので、あしからず。


それじゃ、今回はこんなところで、さよなら、さよなら、さよなら。





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