第14話 シャーロック・ホームズの復活(コナン・ドイル)
書かせていただきます。
【簡単な作品紹介】
シャーロック・ホームズシリーズの短編、第三巻。
死んだと思われていたホームズが、文字通りに復活する話が出てくる。
シャーロックホームズの『生還』とか、『帰還』という訳の版もあったりする。
【作品の特徴】
収録作品は以下の通り。
・空家の怪事
・ノーウッドの土建屋
・ひとりきりの自転車乗り
・プライアリ学院
・踊り人形
・ブラック・ピーター殺し
・奸族ミルヴァ―トン
・三人の学生
・六つのナポレオン
・金縁の鼻眼鏡
・スリー・クォーターの失踪
・アビ農場の屋敷
・第二のしみ
興味深いことに、第三弾の短編集は、名作が多い。第一弾の短編集にも勝るとも劣らなかったりする。
短編をこれだけ量産すれば、ネタ切れや質の低下が起きてもおかしくないはずなのに、収録作品はどれも高水準を維持していると言える。
これは驚異的なことで、コナン・ドイルの作家としての才能が、ありありと見てとれるといえよう。
【作品の見どころ】
どの短編も見どころがあるので、全て紹介したいくらいだけれど、助長になるので、筆者おすすめの短編を二つに絞ってご紹介。
1つ目が「空家の怪事」。
ホームズが復活する話。
タイトルからは、そうとは読み取れないけれどね。
内容はモリアーティ教授の残党とホームズの頭脳戦だ。推理小説ではなく、サスペンスものといえるかな。
ホームズの復活話は劇的で面白い。バリツなる謎の格闘技の存在が出てくる回でもあるので、見どころが多い。
二つ目は「踊り人形」
暗号解読を主題にした物語。
作中に出てくる暗号は、おそらく世界一有名といっても過言ではないだろう。
エドガー・アラン・ポーの「黄金虫」のように、暗号解読を軸にした推理ものは前例があったけれども、暗号に棒人間の絵を利用した点は、斬新と言えるかな。
ホームズが「英語で最も出てくる文字はE。なので
このもっとも出てくる人形はEと仮定する。そして…」と解析していく様子は、好奇心を刺激されて、思わず真似したくなる魅力がある。
【豆知識】
短編集に収められた作品は、原稿料が短編1本につき4000ドル。今の日本円で3000万円ほどらしい。
これほどの人気と収入を生み出す作品だというのに、コナン・ドイルはホームズシリーズを書きたくないと思っていたらしいのだから、なかなかに凄まじい。作家としての矜持が感じられる逸話である。
【終わりに】
今日の解説は、こんなところかな。異論や反論や要望があれば、感想に書いてね。加筆修正しますよ。
ちなみに、記事の内容や、取り上げる作品は、私の独断と偏見が強いので、あしからず。
それじゃ、今回はこんなところで、さよなら、さよなら、さよなら。
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