第11話 シャーロック・ホームズの回想(コナン・ドイル作)

書かせていただきます。


【簡単な作品紹介】

シャーロック・ホームズシリーズの短編、第二巻。



【作品の特徴】


収録作品は以下の通り。


・シルヴァー・ブレイズ号の失踪

・黄色い顔

・株式仲買店員

・グロリア・スコット号の悲劇

・マズグレーヴ家の儀式書

・ライゲートの大地主

・背中の曲がった男

・入院患者

・海軍条約文書事件

・最後の事件


第一巻と同じく、十二本の短編が収録されている場合と、十一本になっている場合があったりする。

当初は「ボール箱」という作品があったのだけれど、不倫を扱っているということで、非道徳的だとドイルが判断し、後の版では外されているためだ。


除外された版の場合、短編集「シャーロック・ホームズの最後の挨拶」に収められている。



【作品の見どころ】

特筆すべきは、「最後の事件」


ホームズが宿敵(といっても唐突に出てくるけど)モリアーティ教授と対決する話。


有名な話ではあるけれど、ホームズはモリアーティとともに滝壺に落ちていき帰らぬ人となる。


どうやら作者のコナン・ドイルは、シャーロックホームズシリーズを書きたくなかったようで、作品を終わらせるために、作品の顔であるホームズ を殺して、続編をかけないようにしたようだ。


なかなかに思い切った決断だろう。衝撃的でもある。


実際、「最後の事件」が発表された時も、読者からの反響が凄かったそうな。

雑誌で「最後の事件」が発表された翌日、ロンドンではホームズの死を悼んで、喪章をつけた紳士方が多数いたとか。


前述の裏話を知った上で【最後の事件」を読むと、また違った味わいを感じられて、面白いかな。


【豆知識】

前記の通り、作者のコナン・ドイルは、シャーロックホームズシリーズを書きたくなかったらしい。歴史小説に集中したかったからだそうな。


ホームズの回想に収録された短編も、本来は書く気がなかったようで、出版社から依頼を受けた当初、コナン・ドイルは「1000ポンドくれるんなら、もう12作の短編を書いてもいい」と吹っ掛けたという。


短編1本あたり80ポンドくらいで、これは今までの長編や短編の二倍から三倍の値段になる。


あえて法外な報酬を提示して、出版社の依頼を遠回しに断ろうとしたらしい。


その思惑は外れて、出版社がお金をくれたため、コナン・ドイルは泣く泣く短編を書いたというわけ。


出版社が金にいとめを付けないほど、シャーロックホームズシリーズは人気になってたわけだ。


ホームズが「最後の事件」で殺されたのは、コナン・ドイルのささやかな抵抗といった意味合いがあるのだろう。


このように、常識知らずの原稿料を吹っかけても書きたくないという理由で、殺されてしまったホームズだけれども、熱烈な読者の声を受け復活することになる。その話はまた今度ということで、今回はここで話は終わり。


【終わりに】

今日の解説は、こんなところかな。異論や反論や要望があれば、感想に書いてね。加筆修正しますよ。


ちなみに、記事の内容や、取り上げる作品は、私の独断と偏見が強いので、あしからず。


それじゃ、今回はこんなところで、さよなら、さよなら、さよなら。




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