第4話 朝のルーティン
「…眠い」
アラームが鳴った。いつも6時になるようセットしている。ベッドから出て、掛ふとんを整え、カーテンを開けて、朝日を浴びる。温かい。十分に朝日を浴びたら1階の洗面台に向かう。4月に入り、廊下の寒さもやわらいできた。
洗面台で顔を洗い、リビングに向かう。
「おはよう」リビングでくつろいでいる母に挨拶する。
「おはよう。今日は健康診断だから朝いらないのよね」
「うん」高校の通例で入学式の翌日は健康診断が行われ、その日に映画を観る。健康診断の日に映画を観るのは我が校独自のカリキュラムらしい。女子は午前に検診して、午後に映画を観る。なんの作品が観れるのか少し楽しみにしてる。ごはんを食べ終わり、歯を磨いて、制服を着て、身だしなみを整える。整えたらリビングでテレビを観る。しばらくしたらインターホンが鳴った。ドアホンで誰が来たか確認し、玄関に向かいドアを開ける。
「おはよう。それじゃいこっか」
「うん」
毎朝明が迎えに来るまでが中学の頃のルーティンだ。だけどこのルーティンがいつか終わってしまうような予感がした。
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今日は授業がなく、映画を観た後、健康診断がある。
俺はいつも5時に起きて読書する。以前紗夜に辛くないのか聞かれたが、小学生から続けているのでむしろルーティンが崩れると1日うまくいかない気分になる。読書して7時に母が作ってくれたご飯を食べる(ちなみに今日は健康診断だが、男子は午後からなので昼食を抜けばいいそうだ)。7時半に身支度し、8時15分頃に出発する。高校までの距離は中学校とさほど変わらないため、朝のルーティンを維持できた。ルーティンが崩れるとダメな俺にとって地味に嬉しかったことのひとつである。そして少し歩いた先にある家へ向かう。インターホンを押してしばらくしたら玄関のドアが開く。
「おはよう。それじゃいこっか」
紗夜を迎えに行くところまでが俺の朝のルーティンだ。このとき、漠然と一緒に登校する関係が終わってしまう気がした。
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