第13話 友情

 ナッパは、伊達香に指示されたよう、衣服を持って川に潜った。

ナッパは水面を見ると大きな〝影〟がある!

ケツァルコアトルスである!

明かりが無くても、大きな〝影〟が自分のいた位置で、ナッパを探しているようである、血の匂いをたよりに。

 伊達香は、知らせにいかないと、と思うが、身体が震え身動きができない。

ナッパは、徐々に息が苦しくなる!

いっそ、息継ぎしようか?と誘惑に駆られるが、

息継ぎすれば、翼竜の餌食になるのは、明らかだった。

香は、岩陰から、時折様子をうかがうが、飛び立つ様子はない。

〝早く!飛び立って!ナッパさんが死んじゃう!〟そう強く祈る。

10分くらい経ったであろうか?

ケツァルコアトルスはようやく諦め飛び立った!

香は、離れた事を確認するとナッパの元へ走った!

「ナッパさん!ナッパさん!」

だが、潜ったはずの場所にナッパの姿はなかった。

香は泣き崩れるのを我慢して、皆の元へ走った。


ベースキャンプ中心


香は、鐘を鳴らした。

力いっぱい。

皆が集まると香は、起きた事を話し泣き崩れてしまった。

一番に反応したのは、〝大輝〟であった。

真っ先に寝床へ行き、太刀だけ持って下流へ走った!

ショーンは「待て!ライトも持たずにどうする!

待て!」止めたが、大輝は振り向きもしなかった。

ショーンは可奈に「装備を整えろ!後を追うぞ!」

と告げ、自らも簡易的な装備をいそいだ!

可奈は、大輝とナッパの友情を改めて感じた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る