第12話 手当

 ナッパは、深夜目が覚めた。

恐竜に喰われる夢を見て驚いて目が覚めたのである。

昨日のティラノサウルスは、女性達の手で解体された。

食べられる場所は、胸ともものあたりだけだそうだ。

あとは、臭いか、筋張っている。

 ナッパは、寝付けず、辺りを散策する事にした

ベースキャンプの河原は、野球のグラウンドくらいの広さがあった。

川の上流の方に岩に囲まれた一画があった。

ナッパは、何があるのか気になり見に行った。

 岩陰から覗くと一人の女性が、裸で水浴びをしていた。

ナッパは、時折光火山のあかりで、女性の身体を見てしまった。

「誰!」女性はナッパに気づいて、即座に側に置いてあった布で身体を覆った。

ナッパは、「すまん!覗くつもりは、なかった!何があるか気になり来てしまった!」慌てて取り繕った。

女性は、「ナッパさん!足は大丈夫ですか?歩けるんですか?」とナッパの身体を気遣った。

ナッパは、「足の傷は、正直痛む、血だらけだ」

と布の巻かれた足を見せた。

女性は、「こっちへ来て、洗いましょう」とナッパを呼び寄せた。

ナッパは言われるがままに側に行き川に足を投げ出した。

女性は「私は、伊達香 25歳です、一年半前に来ました。ナッパさんは、おいくつ?」

と足を洗いながら、問いかけた。

ナッパは、「23歳ですが‥」と答えるが、布がはだけている肌が気になってしたかなく、女性の手の感触も手伝い、股間に熱いものを感じた。

女性は、ナッパの息遣いと股間を見てしまい、洗うのをやめた。

「ごめんなさい、余計な事した様です、我慢出来なかったら、ご自分でなさってください。私は、帰ります」と立とうとしたが、ナッパは手を握ってしまった!

伊達香は、「やめて!言わなきゃ行けない事があります。昨日のナッパさんは、素敵でした!皆を守る為の捨て身の行動、正直好きになりました。

でも、私はダメなんです」と涙ぐんだ。

ナッパは「何かあったんですか?」と聞いた。

香は、「私、鈍臭くて、見張りも出来ない、出来るのは、野菜を育てる事と洗濯くらい、だから、男性の体外人の方を癒すために、身体を預けたんです。

いままで3人の方に!でも、私と結ばれると、一週間もしないで、皆んな恐竜に殺されてしまいました

‥私、〝疫病神〟なんです。それを、リーダーの理沙さんに相談しました。理沙さんは、その男達の力量不足よ!なんならショーンと寝ればいい、あの人は、決して死なないから、とまで言ってくれたんです!でも私、ナッパさんまで死んでしまうのが、怖いんです」と言った。

ナッパは、「それは、理沙さんの言う通りだと‥」

まで、言い切ると〝ギャ、ギャ〟という雄叫びが聞こえた!

火山の明かりで、翼竜が空に浮かんだ!

香は「ケツァルコアトルスです!血がマズイです!

血のついた物を持って川へ潜ってください!」と促し、香は、隠れる為に岩陰に向かった。

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