第11話 血の痕

 谷の間からティラノサウルスの影が近づいてくる。

ショーンは「お前ら、悪いが戦力になってもらう。

何!ナッパ?お前その足どうしたんだ?」

ナッパは足から血を流していた。

「お前!まさか〝血〟を流しながらここへ来たのか?」

ナッパは、「すみません!使えないヤツと思われたくなくて‥」と言う。

ショーンは、「異変があったら、言えといったろう!アイツらは人間の特に血に敏感なんだ!怪我をしたら、その辺りを焼かなければならないくらいなんだ!まあ、詳しく説明しなかった俺も悪い‥」そう言って天を仰いだ。

ショーンは、「とにかく散れ!的を絞らせるな!

誰かが狙われたら他の3人が、援護する!わかったな!ぶっつけ本番とはこの事だ!」と言って、ショーンは、背中に背負った槍をだした!

大輝、ナッパ、可奈はそれぞれ距離を取る。

谷から13メートルはあるティラノサウルスが出てきた!

ヴガーオーと雄叫びを上げる。

まず、狙われたのは、大輝であった。大輝は、素早く岩に登った。

ティラノサウルスが近づく!

大輝は、太刀の刃を出し、構える!

腹を目がけて一振りを浴びせるが、皮を裂いた程度である!

すぐさま、反撃に遭い飛ばされた!

そこへ、可奈が〝目〟を目がけて一矢放つ!

が、簡単にかわされた!

可奈「コイツ頭いいのかな?」と言って向かってくるティラノサウルスから逃げる!

その途中、ティラノサウルスは、岩に足を取られ、大きくバランスを崩した!

「そっか!」と可奈は言い、大輝とナッパに

「左足を狙うよ!」と伝える。

可奈は、矢を三本続けざまに、左足の付け根目がけて放つ、三本とも命中し、ティラノサウルスは吠える!

ナッパが「俺の責任だ!」と鎖鎌を投げた!

左足に絡まる!

ナッパは、左足をくるくる周り、左足にしがみつく!

ティラノサウルスは、左足を取られた状態になる!

可奈が、「大輝!」と叫ぶと同時に、渾身の一太刀を左足の付け根にいれた!

左足は、半分ほど、切れかかり、バランスを崩してティラノサウルスは倒れた!

振り回されていた、ナッパに二人が近づく、

そこに油断が生まれた、尻尾が3人を吹き飛ばした!3人は、岩や崖に激突する!

立ち上がれない。

5メートルはある崖の上にショーンはいた。

「やるねえ!若者達、こりゃ〝オッさん〟は楽できるな!イタダキ!」

槍を立て、ジャンプし、ティラノサウルスの眉間に槍を突き刺した。

ティラノサウルスは、まだ動く、

ショーンは、「コイツ、脳みそ小さ!」と言い。

槍をさらに深く突き刺した!

ティラノサウルスは、5秒程バタバタして、

絶命した。


身体を痛めた3人にベースキャンプの女性達が近寄る!

ショーンも可奈に近づいた。

可奈は、朦朧もうろうとしている。

「アタシ‥使えるでしょ‥」とショーンに訴えると

ショーンは、「〝片目〟はこんなに甘くないぞ!」

と傷ついた可奈を抱きかかえた。






  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る