第10話 ベースキャンプ
ショーンは、朝早く起きた。
と言っても朝日などはなく、暗闇のままである。
いまだに、火山は、1時間ごとに噴火している状況であった。
ショーンは、朝メシの支度をした。
と言っても、昨日の残りを焼きなおすだけである。
食料は貴重であった。
大輝、ナッパ、可奈は、それぞれ〝残置物〟の衣服を枕にしたものを借りた。
匂いは酷いが、岩を枕にするよりはマシである。
3人は、徐々に起きた、いや起こされた。
昨日の今日であるから、寝付けないのは、当然であったが、ショーンは、なるべく朝ベースキャンプにいくようにしていた。
それは、自分を含め安否確認を含んでの事だった。
ショーンは、3人に貴重な水をコップ一杯ずつ配った。
3人は、大切に飲んだ。
1時間後
ショーンは、「出発するぞ!各自武器は持つ様に、あと〝肉〟を少し運ぶのを手伝ってくれ」と頼んだ。
約5キロの道のりだと聞いていた。
運が良ければ恐竜には、遭遇しないそうである。
昨夜、武器のバッテリー切れ程恐ろしいことはないと聞いていた。
〝相棒〟も喰われる前、余計な狩をしなければ、
生き延びたかもとも聞いた。
3人は、暗闇がこれ程〝恐怖〟を増やすのかと怯えた。
ベースキャンプ手前
「ピー、ピ、ピ、」
大輝、ナッパ、可奈は、突如なった〝笛〟にすら
驚いた。
ショーンは、「安心しろ!見張りの合図だ、〝安全らしいが少し異常だ〟だ、ベースキャンプは谷を抜けなければならず、見張りが一箇所で済む、あと水だなここを選んだのは!」そう言って幅3メートル程の谷を抜けた。
谷を抜けるとそこには清流がながれているのがわかった三方を崖に囲まれた地形であった。
ショーンと3人が河原にはいると5人の女性が出迎えた。
ショーンは、肉を運んでもらうよう頼んだ。
奥から赤子を抱いた長い黒髪の女性が現れた。
「おはよう、もしかして、新しく来た人?」
と聞いた。
ショーンは「珍しいよ3人も体外人がいっぺんにくるなんて!女房の渋谷理沙だ、こっちで結婚した。
あと子供のキーシャだ!」
大輝、ナッパは笑顔で挨拶した。
可奈は、いささか不機嫌である。
ショーンは、「可奈ちゃんには、ここの守りに参加してもらう、いいよな?可奈ちゃん?」
可奈は、「納得いきません!」
とハッキリ断った。
これには、皆驚いた。
「ピー、ピー、ピー」
3度長い笛がなり、すぐさま〝光弾〟が放たれた!
「何!大型竜か!」
ショーンは、可奈の断りの5倍は驚いた。
続けて「各自、対策通り配置につけ!」と指示をだした。
1分もしない内に見張りの女性が走ってくる!
その後ろには、谷に身体を擦りながら10メートル以上ある〝巨体〟の影がついてきた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます