第5話 埋込端末

大輝、ナッパ、可奈は3人で集まった。

一番狼狽えうろたているのは、ナッパであった。

「どうすんだよ!バッテリーが充電できないってことは、帰れないって事だぞ!渋谷ショーンさんも充電ができなくて、帰れなくなったんだよ!」

可奈が「暑いわね」と言って胸元のファスナーを下げた。

扇ぎながら「あのね!そんな事は小学生でも解るわ!で!どうするかよ!まずは生き延びなきゃならないってこと、いつ太陽が照らすかわからないけど

〝電解水装置〟も使えないから、明日の飲み水もないってことよ!」と諭した。

大輝は、「まず、可奈の言う通り一番の緊急は水だな、いいことは、周りに放置されたカプセルが大量にあることだ!水や携帯食料が残っているかもしれない、まずは、カプセルを見てみよう」と言った。

可奈は、「賛成だね、めぼしいものを集めましょう」と促し立ち上がった。

3人は、手分して周りのカプセルを見て回った。

ナッパが一番近くにあるカプセルをまず開けた。

「ひー」と大声を上げた。

近くにいた、大輝と可奈は慌てて集まった。

「これ見てくれ!」ナッパが指差す先には、

バラバラになった肉の塊があった。

可奈は、「私は、バラバラと聞いていたから、てっきり恐竜にされたのかと思ってたけどそうではなさそうね?」と意見を述べると、大輝は、「そうだな?外部からの傷と言うより、内側から爆発したような感じだな?」と同調した。

ナッパが「おっ!これは!」と手であったろうばしょから〝アイホーン77〟を見つけた。

「ラッキーだな?100万はするぞ、帰れたら埋め込もう」と墓場泥棒をした。

それを見た大輝は、「そんなもんどうすんだ!こんな太古で何の役に立つ?それより水だ!」

とタイムカプセルを物色し始める。

可奈も手伝うが、殆ど何も残っていないのである。

大輝は、「おっかしいな?この遺体は到着した時には、この状態とおもえるが?」

可奈も「確かにおかしいわね?」

3人は引き続き辺りのカプセルを見るが同じ状況だった。

可奈が「そうだ!担当者が体外人の為に冊子を用意してくれてなかった?」と気がついた。

大輝も見てみようと言い、自分達のカプセルに戻った。

タイムカプセルの中から、冊子を取り出し見てみると、〝ショーンマップ〟なるページがあった。

その地図には、川や湧き水の位置が書かれていた。

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