編集済
【5/7追記】【5/8追記】
>厳しくも豪華な謁見の間に
「厳(いかめ)しくも」はルビがほしいところ。
>早朝の風が、香りが、大地の感触が、空の高さがあった。
ここの文章表現、いいですね!
拝読。
ふむむ? 一読だとオチがよくわかりませんでした。
いや、「ゲートを開けたら水が流れ込んでくる」と読ませる意図は伝わるんですが、提示された状況がよくわからないというか。
……ああ!
>ノイエ・ナニワの中心区画にそびえ立つ八十階建てマンション最上階スイート。
これ、ソーヤノミヤの今いる場所ですか。「ノイエ」とついてたし文章の流れ的に違和感なかったんで、アムステルダムにあるソーヤの仮住まいかと思いました。なんで最上階のゲートを開けて、水が流れ込んでくるんだろ?と。ソーヤがいるのがこっちなんですね。
ここで誤読してしまうのは、もしかすると私だけかもしれませんが、コケる読者を減らすためには、
・最上階スイートが明確にソーヤの現在地点だと明記する。
・ヨーロッパのゲートは「全て」水没していると説明する。「設置された三つ」だと、ソーヤのものが含まれるかどうか微妙なので。
辺りが適切かなと。
ネタとしてはよくあるやつですが、誰でも気軽に楽しめる、火浦功みたいなSFだなと思いました。キャラもいいですし、このシリーズで続けても面白そうです。
ただしわかりやすさ優先で。
そこだけ直してもらえたら★増やします!w
【5/7追記】
確認しました。ナニワについてはこれでオッケーですので、星増やしときました。
ゲートについては、何故指摘したかと言うと、「自室に設置したら問題が全部解決する」からなんですよね。別に現地に置く理由が何もない。何なら置いていいのか?って話で。なので最上階スイートと誤読した時、「そうか自室に設置したのか、なるほど」ってなっちゃったんです。
その意味もあって、「ゲートは全て水没してる」という情報があった方が確実かなと思った次第。ゲートの場所の確認なんて、黙ってGPSつけてたとかにすればどうとでもなりますし。つかソーヤ様レベルのトラブルメーカーに管理なしで好きな場所に置かせるの怖すぎるでしょw ネタバレ的には「全て」以上に言及しなければよいのです。まーこれ以上は作者判断にお任せしますが。
>この話ぐらいちゃんとプロットとアイデアが揃ったら、続けるのにやぶさかではない
まあ要するに「ドラ〇もん」の構図ですからね、この話。キャラの味付けが違うだけで。ただ上手く書けば現代でも面白いものです。ドクタースランプとか(現代じゃない)。
そこら辺の発明もの短編を思い返して、明確な差別要素を追加できれば、シリーズとして十分成立すると思いますよ。キャラという点では文句なしですし。ちなみに私の書いた「蟲読」も似たようなもんですが、あれは「悪趣味なドラ〇えもん」を意識して書いてましたからねーw
あと横槍に同調しますが、スロさんが感想で書いてる文章的な意見は、私もまるっと同意です。上手いこと指摘されてると思います。軽く読ませたい時は軽い文章の方が合うのは当然。湾多さんは常に同じ密度で書くので、合うとばっちりですが、この手のショートだともっさり感が出るんです。まあ慣れたら気にならなくはなるんですが、それは読者が適応してるだけでw
「美緒とチューバ」の時にも同じことを言ったと思いますが、「抜いて書く」「簡潔に書く」に挑戦するといいかもしれません。それこそ文字数制限内で書いてみるとか。ジャンルに応じて使い分けできるようになれば理想的です。
【5/8追記】
>本文のオチの中身を今一度文章にすると
確認しました。
なるほど。私は一読目はゲート先が最上階の私室だと勘違いしましたが、それが誤読だと思った次の読み方は、アムステルダムの私有地(海岸とか)だと思ってました。前回もそんな風でしたし。なので「屋内に設置すれば解決なのに」と書いたわけです。
とりあえず改訂後を読む限り、誤解はしないだろう描写になっているので、「一階私室」という説明が絶対必要とは思いませんが、んー。
直感的にはゲートは外の方が、より大量の水がなだれ込みそうで派手なオチを想像できるかな、とは思いますかね。室内水没だとどうしても一室以上の水が一気に流れ込むイメージはしないので。まああくまで派手さの問題というだけですがw
>習作のつもりで意識的にスリムに仕上げてみようかと。
いいと思いますよ。ペンネームを変えるくらいの気分で新境地目指すのも面白いもんです。
私だって短編ダイエットしだしたのはここ数年ですし、段々文字数減らすチャレンジしてたのはご存知の通りですから。新しい湾多作品に期待してます。
まー、私は短編書きすぎて、逆に長編を書くリズムを取り戻すのに難儀したりしてますが……w
作者からの返信
コメント並びにレビュー、ありがとうございます!
ルビは入れました。で、問題の箇所ですが、うーん、そういう方向から指摘が入るとは w。
実のところ、これの初披露の時も「一回読んでも分からなかった」という声をちらほら聞いたんですけれど、講師の先生からはそっちのツッコミがなかったんで、許容範囲なんだろうと黙殺してしまいました。いやはや。
時間を置いて改めて読むに、湾多の文章は、一応情報そのものは最低限置いてあるのだけれど、どうかすると読み逃しそうな呼吸で配置されてることが多いのかなと、最近は考えたりもします。ほとんど無意識なんですよね。で、無意識的にその手のキーワードを確実に読んでもらえる位置へと文節を組む書き手がいれば、湾多のような書き手もいる、と ^^。
という分析はともかく、いただいた改案ですが。
>・最上階スイートが明確にソーヤの現在地点だと明記する。
なんとかリクエストに近い形で書き直してみました。少なくとも、主人公がアムステルダムにいるという読み方にはならんと思いたいです。
>・ヨーロッパのゲートは「全て」水没していると説明する。
これについては、タクミは残り一つのゲートがどこにあるのか知らないし、知る方法もない、という前提で話を進めていることもありますので、現状維持とします。「残り一つ、どうやらヨーロッパにあるのは間違いないようなんだが」とか言わせてしまったら、ほとんどネタバレになりますし。
とはいえ、意外なところで有意義なコメントをいただきました。ほんのわずかですが、文章改良のヒントを見た気分です。参考になります。
>キャラもいいですし、このシリーズで続けても面白そうです。
これはですね、講師先生からも言われたことなんですよね 笑。「面白い話のはずなんだけど、すかっと笑えないのはなんでだろう」と、今後の課題みたいなことに触れた際に、「これ、続けて書く気、ある?」と訊かれ、なんだか嬉しくなって「あります!」と答えたんですが、その後、次作のアイデア書きすら一行も書かないままで ^^。
このスタイルの味で連作するんなら、それはそれでアリだ、という意味だったのかな? それか、書き続けたら文がこなれていくだろうから、という意図だったのか。
この話ぐらいちゃんとプロットとアイデアが揃ったら、続けるのにやぶさかではないんですけれども。なんだかネタ帳見る限り、こういう脳天気な科学SFになりそうにないんですよね、最近は……。
5/8追記
重ねてのコメントと増量、ありがとうございます!
>ゲートについては、何故指摘したかと言うと、
ええとですね、このパラグラフの中身が今ひとつ把握できなかったんですが。何かまだ確認し尽くしていない齟齬があるのか、こちらの方で決定的な誤認があるのか。
本文のオチの中身を今一度文章にすると、
・ソーヤノミヤの3つ目のゲートは、アムステルダムの本人のお忍び用フラットにある。
・書いてはないけれど、そのフラットは地上一階部分にある。ゆえに現在水没中。
・で、本人は今まさに、ノイエ・ナニワ地上八十階の仮私邸でゲートを開こうとしている最中。
つまりは、概要にも書きましたが、星新一氏の「おーい でてこーい」の幕切れシーンそのまんま、という形です。
ただ、このゲートシステム、電話のように世界中のどこのゲートへもアクセス手続きができる、という設定にしてしまうと、別にアムスのソーヤノミヤの私室へゲートを運ばせておく必要はないんですね。タクミの会社所有の適当な欧州拠点を「出口」とすればいいだけなんで。そのあたりのことをおっしゃってますかね?
このへんは明記してないんで、一部混乱する読み手がいるのかもなと思うんですが、私自身はこのシステムは一対一で半固定的に設置するタイプとして考えました。ので、ここの「通路」はアムスとノイエ・ナニワでのみつながっていて、それは外部から切り替えも探知もしようがない、という商品仕様です。
そのあたり、もしかしたら説明不足になってるだろうか、などと今になって思いました。最初の描写でもう少し盛り込んでおくべきだったか……。
>あと横槍に同調しますが、
>「抜いて書く」「簡潔に書く」に挑戦するといいかもしれません。
回り回って結局そこに行き着くんですよねえ。はい、まあ、そろそろ脂肪を落とす方向に再調整していかんとあかんなと思ってました 笑。ここ半年ほど、過去作中心だったのもあって、饒舌過多なスタイルに安易に浸かってた自覚はあります。
次の作品、たぶん短い話になると思いますが、習作のつもりで意識的にスリムに仕上げてみようかと。
またつついていだければありがたいです。
5/9追記
では、ラストシーン周りに関しては、いったん置きますね。半年ほど経って読み直したら、また別の課題が見えるかも知れない。あるいはそのうち、どなたか他の方からご意見もらえるかも知れませんし。
>ペンネームを変えるくらいの気分で新境地目指すのも面白いもんです。
まあ商売の都合とか一切考えずに。パスティーシュみたいな練習課題を連発したり、文体模写に没入したり、やりたい放題できるのがアマチュアのウマミですからね。せいぜい楽しみながら模索していこうかと。
とはいえ、これまでも「軽く、あっさり」書いたつもりで、あんなのやこんなの、仕上げてしまってきたんですよね……これはいよいよ、アレを引っ張り出すしかないか? (と意味深な一言を呟きながら、本人退場 w)。
キャッチコピーの「バカ殿」という言葉で、「あのバカ殿」をイメージしてしまいましたが、あそこまでではない感じ? と思って読んでいましたが……いやいやかなりしっちゃかめっちゃかなことをしている、と思い直しました(笑)。でも私、解説の「有名なあの定番アイテム」という文章を読まなければ、気がつかなかったと思います。なるほど! とオチに至るまで読み手を納得させつつ引っ張る、ディテールの描写に、いつもながら感服します。短い作品でもギュッと密度が濃い感じ。それとは別のことですが、時々登場する「背後に禍々しい不気味線」のような描写も好きです(笑)。おもしろく読みました。
作者からの返信
コメントならびにレビュー、ありがとうございます!
>解説の「有名なあの定番アイテム」という文章を読まなければ、気がつかなかったと思います。
この元ネタについては、誰もが突っ込んでいそうなのに、全然その種の話を聞かなかったので、とりあえず書いてみて、物言いがついたらその時はその時……と思ってたんですが、「それはもう誰それが書いてる」という話は、今に至るまで聞かないままです。教室の講評でも「まあ悪くない」という感じでした。つまりは、子供向けの夢のアイテムにいちいち無粋なチェックを入れる書き手は、全国的にも珍しいんだな、と 笑。
今となっては、学生向けSFのお約束的不合理に対し、全身全霊で反発していた厨房的感性の残っていた時期だからこそ書けたものなのかな、とも思います。
>時々登場する「背後に禍々しい不気味線」のような描写も好きです(笑)。
恐縮です。マンガのエフェクトを右から左に流してるだけなんで、あんまり褒められた情景描写じゃないんですが、今でもなんとか通じる言い回しなんで、重宝してます。
九割がた、マンガそのものみたいなショーとショートですけれど、最後のヤバさの表出は、やはり文章だからこそできた味だと、ひそかに自画自賛してます w。
毎回ながらの嬉しいコメント、感謝です!
いつもありがとうございます。
本格的に拝見するのは初めてでした。
短編助かりました。
愉快な発明おじさんという評価は悪い意味でたまらないでしょうね。ソーヤノミヤは聞かん坊そうですし、わがままも最終的に酷い目に合うのは少し痛快ですね。
お亡くなりにならないことを願います。
作者からの返信
コメントありがとうございます!
お初にお目にかけるのが思い切り古い作品で恐縮ですが、湾多は今でも、考える作品の半分ぐらいはこういうバカっぽい話ですね w。
本作のように、権力は持ってるんだけど、どこか致命的に抜けているというキャラは、読み手からの罵声を総身に浴びたり、因果応報な目に遭ったりと、自動的にドラマが出来上がっていく便利な存在なんですが、生命力が破格であるという属性ももれなくついてます 笑。ゆえに、もしこの話に続きがあったとしても、「いや〜この前は酷かった」とかしれっと呟いて、同じようなトラブルを起こしてくれると思います。
基本、やや面倒な物的損害だけで済んだ、という結末だったと思いたいですね。
編集済
「ノイエ・ナニワ」w
面白かったです! みのりちゃん+DR.スランプってテイスト。冒頭でヨーロッパの現状をシリアスタッチでちょい書いて、何が始まるんだと思いきや、ドタバタが開始される、とかの路線もアリかもしれませんw
誤字・脱字の類いは、もう直したあとなのかな? それとも純粋読者で気づかなかったのか、見つかりませんでした!
まあ宮様関係はね……よほどの必然性がない限り避けるが吉な気もしますが、架空の王国にしてヨシというお話でもないし、妥当な選択なのか。悩ましい。
追記:休憩中読んで、仕事終わりにもどってまいりましたw で、仕事中、かつて先生にいわれたという面白いはずなんだけどなんかスッキリしない、というのが私もずっと気になってて。
思うんですけど、これ湾多さんのくせなのか知らないんですけど、
読ませるための牽引力として何か謎を用意する→最後にカタルシスを用意すべくギリギリまでひっぱる
このパターンのせいでそういう印象になっちゃうんじゃないかと。ミステリだと王道ですよね、点と点が繋がって線になるw
これって大きな魅力的な謎があって、すべてがそこに奉仕してこそ意味があるのではないかと。あんな些細なことや、実はこのエピソードも⁉︎ みたいな気づきが快楽をもたらす。
でも、このお話の軸は、——もしかしたら出発点はそこなのかもしれないですけど、ソーヤノミヤ様のわがままハチャメチャぶりと、振り回される科学者、だと思うんですよね。そこを単なるドタバタにしないで、一本筋が通ってる、みたいな。
いっそゲートを抜けたら海の底、空の上、こういうのが面白いんじゃないかと。どこ○もドアと違って(書いちゃったw)、ゲートの特性上、それはありえないわけですが。
なら、ソーヤノミヤがどこそこが好きで、とか、テレビ見て素敵! とかあーあ、やべえよ、ここ行っちゃうよ、コイツ、みたいに思わせておいて、ズバンと! そういう作りの方がスッキリするんじゃないかと思いました。とすると、文体も、それこそ火浦功ではないけど、もっと余白のあるもののほうが映えるんじゃないかなあ、とか。
ガッハも、そういえば生じゃこじゃなけりゃ、という話だったのにトロミつけて調理されてるとか(いや、まあシラスでは抜けちまってる成分とか、そういうことなんだろなと脳内補足しましたが)、どうも読んでて爽快、という風に行きづらいところがあったな、とか。
チロは、あれはあの文体でハマってたと思います。あれも謎の提示がどうも小骨のひっかかり感あったんですけども。
そういう意味では、『犬憑き』、復讐譚だったからこそかもしれませんが、文実一致というか、とてもハマってたように思います。
過去作の改稿版が多いようですが、当時の自分が面白い、これが書きたいと思った部分に拘りすぎず、いまの自分から見て、この物語を面白くするためにはどうしたらいいか、で考えてみるのもいいかもしれません。
長々と申し訳ない😅←これはもう年寄りしか使わないらしいです。SHOCK!←さらに滲み出る老害感
追記2:余白のある文章、を訂正します。白い文章にw
作者からの返信
コメント並びにレビュー、ありがとうございます!
いやすごい。いつの間にかコメントがまるごと作家論になってる w。
長めの作品も含めて、湾多の近作を軒並みがっつり読み込んでくださってるスロさん(あ、私もこの呼び方にします ^^)ならではの、ツボを押さえた書評でいらっしゃるかと。
>文体も、それこそ火浦功ではないけど、もっと余白のあるもののほうが映えるんじゃないかなあ、とか。
うん、今から思えば、あの人の文章はあれですごい技のたまものだったんだなと思いますね。早くにネタがバレて、全然意外性がねえよ、というパターンこそあれ、どういう場面かわからん、とか、何を心理描写しとるんか見えん、なんてのは、もう全っ然なかったですから。あんだけぶっとんだ設定でむちゃくちゃなシチュエーションだらけだったのに。
うーん、余白のある文体……あそびのある文章ってこと? でも、それ意識したつもりで書いてったら、今度は「脂肪だらけの文章だっ、ダイエットしろっ」みたいなことを言われたりとか 笑。いや、その話は別にネガティブなエピソードではなかったんですが(もしよろしかったら、「My Fair Piggy」って短編、覗いてみてください)。
まあ要するに、文体と謎要素の引っ張り具合と、この二つがマズイ方向で合わせ技にならないようしましょう、ということですかね、当座のところは。
ちょうど今書いてる短いのが、「本来なら星新一スタイルでさらさらっと書くべき話」なんで、新しい文体模索するつもりで書いてみます。
とりあえず本作そのものはお楽しみいただけましたようで、何よりです。本人には気づきようがない味のある洞察、感謝します。
5/9 追記2に対する追記
あー、そっちの方がわかるかも。
とはいえ、それはそれで難度が高い目標です w。