第10話 幸せな時間
あれから時間が流れ……俺はエロゲーをプレイしたり、家事をこなしたりした。
洗濯物をまとめた俺はキッチンへ向かった。
すると良い匂いが漂っていた。
今晩の料理は、愛夏が作ってくれていた。そうだった。今週は愛夏の当番だったな。
メシは週ごとに俺が作ったり、愛夏が作ったりする。たまに適当な時もあるけど。
二人の力を合わせて一軒家を上手く回していた。
二階建てで無駄に広いから掃除とか大変だ。でも、二人でやればそれほどでもない。
「あ、お兄ちゃん。今晩はキーマカレーだよ~」
「おぉ、いいね」
「といってもレトルトだけどね」
全然ありだ。むしろウェルカム。俺の大好物なのだ。
ニ十分後には晩飯が完成。
リビングへ運び、愛夏と共に
キーマカレーに、コンビニで売っているサラダセット。それと麦茶。十分だな!
「いただきます!」
「わたしもいただきまーす。って言いたいところだけど、お兄ちゃん。はい、あ~ん♪」
スプーンでキーマカレーを掬う愛夏は、俺の口持ちにそれを運んできた。まさかの行為にギョッとなる俺。
「あ、あーんって……」
「お兄ちゃんをお世話したいから」
「そ、それは嬉しいけど……。愛夏、以前はしなかったよな。なんで今日はしてくれるんだ?」
「う~ん、ヒミツだけど今日はすっごく晴れやかな気分だから」
どうやら機嫌がいいということらしい。
愛夏が幸せならいいけどさ!
「分かった。じゃあ、いただく」
「はい、あ~ん」
ぱくっといただき、俺は脳が幸福で満たされていった。
こ、これは驚いた。
愛夏に食べさせてもらうだけで涙が出そうになるほど幸せを感じられるなんて……生きていて本当に良かった。
「ありがとうな、愛夏」
「いいのいいの。お兄ちゃんが幸せなら、わたしも幸せだから」
スプーンをそのまま使う愛夏。気にせずキーマカレーを食べていた。
「そりゃ良かった。ああ、最高だ」
「うん。じゃあ、今度は口移しだね」
「ブッ――――――!!!!!!!」(←キーマカレー吹いた俺)
く、口移しだとおおおおお!?
さすがにそれはマズイ!!!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます