第9話 下着姿の義妹

 じっちゃんの車を降り、愛夏は家の中へ。

 俺は畑仕事を進めた。

 泥まみれになりながらも、俺は畑を耕していく。


 汗を流し帰宅する俺。


 リビングに入って早々、愛夏が下着姿でくつろいでいた。……ちょ、いきなりだな。



「おかえりなさい、お兄ちゃん」

「コラ、愛夏。家の中だからって、そんなカッコでうろつくんじゃありません」

「……あぅ! 忘れてた! お兄ちゃん、こっち見ないで!」


 赤面し、腕で体を隠す愛夏だが……今更かっ。

 腕や足が心配になるほど細くて、でも綺麗だ。


 みとれていると愛夏は、リビングから逃げていった。


 そのまま部屋に戻ったらしい。

 着替えにいったようだ。


 ……さて、俺も風呂へ。



 ◆



「――ふぅ、すっきりした」



 労働の汗を流し、体を綺麗さっぱりにした。学校の疲れよりも、畑仕事の疲れの方が何倍も充実感を得られる。

 いったん自分の部屋へ戻った。


 だが、扉の前で異変を感じた。



『…………お兄ちゃん、だめっ』



 ダメと言われて、俺はドアノブに触れる直前で止まった。……なにがダメなんだ?

 愛夏のヤツ、また俺の部屋に無断侵入してなにやってんだか。


 ええい、こうなったら扉を開けてやる。

 勢いで扉を開けようとすると、愛夏が飛び出てきた。


「おい、愛夏――」

「ひゃうっ! お兄ちゃん、なんでもないから! 別になにもしてないから!」


「はあ?」


 物凄い慌てようだ。

 ていうか、愛夏……まだ下着姿じゃないか。あの姿のまま、エロゲーでもプレイしていたのだろうか。

 いや、パソコンのディスプレイには何も表示されていない。


 じゃあ、愛夏はここで何を……?


 ベッドへ向かってみると妙に湿っぽい。……ん? なにか落ちてる。


 それを拾い上げてみると特殊な形状をしたオモチャっぽいものだった。


 これ、どこかで見覚えが――。


 冷静に思考を巡らせていると俺の部屋の扉が物凄い勢いで開き、愛夏がダッシュで飛び込んできた。俺の手にあるオモチャを奪うと台風のように去っていった。



「お兄ちゃんのばかあああああ!! えっち! へんたい! でも好き! だけど、ばかああああ!」

「へ……?」



 う~ん……今の小型マッサージ機だよな。肩でも凝っていたのか?

 今度、肩でも揉んでやるか。

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