第6話 昼休みに義妹と

 制服に着替え終え、朝食も食べずに俺たちは家を出た。

 愛夏がダイエットと称して食べないので、俺も自然の流れで朝を抜くことになった。おかげで俺も体重が増えにくくなった。

 しかし、思考が少し鈍くなる。勉強が身に入らないというか、脱力感が半端ない。そのせいか成績はあんまりよくない。

 けどいい、俺は高校を卒業したら農業に落ち着くはずなのだから。



 愛夏と共に登校し、徒歩ニ十分ほどを歩いて到着。



 北風高校の二年、Aクラスの教室へ俺は向かう。



「じゃ、俺はこっちだから」

「またあとでね、お兄ちゃん」


 一年の教室へ向かう愛夏。毎度ながら俺は心配な気持ちに陥る。愛夏は危なっかしくて、放っておけないんだ。変な男から絡まれたりしていないか不安になる。

 でも、そういう話は聞かないし、女友達と仲が良いようだし……多分、大丈夫だ。


 その後、俺は教室へ。

 意味不明な念仏のような授業を淡々と受け続けていく。


 気づけば昼休みになっていた。



「小野寺くん」



 昼早々、隣の隣の席の女子・早瀬さんが話しかけてきた。ああ、いつものね。


「いつもありがとう、早瀬さん」

「うん、妹さんが呼んでるよ」


 そう、早瀬さんはいつも愛夏が来たら俺に教えてくれたのだ。おかげで助かっている。 それにしても……早瀬さんはなんでいつも俺に気を遣ってくれるのだろう? ちょっと不思議だった。


 お礼を言って、俺は廊下へ。

 そこにはソワソワしながら待つ愛夏の姿が。

 俺に気づくなり歩み寄ってくる。


「お兄ちゃん!」

「お待たせ。それじゃ、適当に」

「うん、どこでもいいよ~」


 愛夏は手にパンを持っている。

 俺の分もある。


 学校の楽しみといえば、この昼休みの時間だけだ。愛夏を連れ、俺は屋上へ向かった。

 屋上に到着して、街並みを眺めながら焼きそばパンをいただいた。……うまい。


「ん~、ソースが濃厚でたまらんな」

「だねー。ところでさ、お兄ちゃん」

「ん、なんだ?」

「なんかおススメのエロゲーないかな」


「ブッ――――――!!!」


 いきなりそんなことを聞かれ、俺は焼きそばパンを吹いた。

 昼飯の時になんてことを聞くんだ、我が義妹は!!


「だってさ、面白いんだもん。シナリオもしっかりしているし、泣けるシーンも多いし! あと、えっちだし……」


 最後、めっちゃ恥ずかしそうに言ったな。

 そう言われると俺も顔が熱くなって、更に言えばちょっと気まずいのだが!


 けど、こうして愛夏と話題があることはいいことだ。

 俺は高鳴る心拍数を抑えつつ、おススメのエロゲーを答えた。

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