第4話 お兄ちゃんラブな義妹
ぱんつを握りしめ、俺は隣の部屋へ。
扉をノックすると直ぐに反応があった。
『なぁに、お兄ちゃん』
「愛夏……お前、ぱんつ忘れてるぞ」
『え!!』
ドタドタと慌てるような足音が聞こえると同時に、扉が開いた。愛夏は俺の手元を見るなり赤面し、ぱんつを取り上げた。
「すまん」
「こ、こ、これはね……寝ぼけて……あああああああ、もうお兄ちゃん出てって!!」
取り乱す愛夏は、扉を閉めた。
……寝ぼけていたのか?
いったい、どういう状況なのか想像もつかないけど。
俺は部屋に戻った。
机には、愛夏が中途半端にプレイしていたエロゲーの画面が残されている。
このエロゲー、めちゃくちゃ名作なんだよな。
主人公は、行方不明になった可愛い妹を探しにあらゆる本の世界を旅する。世界観がファンタジーからSFまであるという圧巻で驚きの連続だ。なのにきちんとエロシーンもあるのだ。
なにげにアニメ化もしているという驚きの事実。
もうかなり古いけど、俺はじっちゃんの意志を受け継いでいた。
「さて、ゲームはセーブして閉じて……む?」
なぜかスマホに通知がきた。
相手は愛夏だ。
愛夏:お兄ちゃん、さっきのこと忘れて!(泣) お願い、お願いだからあああ! わたしを嫌わないでえ……!
まだ気にしていたのか。
嫌うわけがない。
愛夏が普通の女子高生と比べるとエロに興味があるのは理解している。そもそも俺のせいだ。エロゲーを狂ったようにプレイしていた俺が悪いんだ。
こっちの世界に引きずり込んだ俺が愛夏を変えてしまった。
でも、おかげで共通の趣味となったし、なぜか昔よりも仲良くなった。
紗季:嫌わないよ。愛夏、いつでも俺の部屋を利用していいよ
愛夏:うん。ありがと。大好きだよ、お兄ちゃん!
なんて返事が返ってきて俺は嬉しかった。だからなんでも許せちゃうんだよな~。
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