竹野香舞

転落の園

落ちた

腹の底を撫でるような不快感と共に背中に鈍痛が走る、今僕が転がり落ちてるのは夜の山の斜面だ、さっきの鈍痛は木か岩にぶつかったのだろう、

なんだ、、、死ぬのって意外と簡単じゃないか、今までビビってたことに笑えてくる。

人は死に際に立つとこうも冷静になれるんだと驚く、しかし人は死ぬ前に走馬灯を見ると聞くが僕は見れるほどの思い出がないのかなんて考えて少し呆れる。


なんて冷静に考えていると深い水の中に落ちる、このまま溺死するのも一興かなんて考えながら水中で目を開けてみる、

僕の目に飛び込んできたのはあまりにも非現実的で自分は死んで彼岸に渡ったのだと確信した、水中に立つ鳥居に大きな寺?神社?詳しくはないが歴史を感じる建物がある、その周りを泳ぎ回る淡く発光する蒼白い魚の群れ、


あまりの光景に文字どうり息を忘れていると本当に息苦しくなってきた、慌てて水面に上がろうとするがあまりにも水面が遠く苦しみながら意識を失ってしまった。

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竹野香舞 @isanarui

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