第4話 初めてのお仕事頑張ります!

「し、仕事貰えるんですか!?」


「そりゃギルドだからな、仕事の斡旋もするさ。まぁあまり難しい仕事でもないから気張らずやってこい」


 ある日ギルドから呼ばれて、もしや解雇かとびくびくしながら受付に行くと、人事担当のウォルターさんからお仕事を貰えました。


 初めてのお仕事です、しかも戦闘技能必須と募集要項に書いてありすよ!クラスはDですがやりました!


「とりあえずこれが今回の仕事内容。あとお前武器は持っているか?」


 おお、金貨20枚。凄いお仕事だ…と仕事内容とにらめっこしながら、ウォルターさんの言葉に返答します。


「持ってはいませんけど、現地調達っていうのであればまぁ、なんとか、頑張ります」


 地形、岩、木の枝などなど、案外その場で武器として使えるものは多いんです。非力なフリして肉弾戦、と言うのも一つの手ですけど、最終手段ですね。


「持っていないならこれ借りて行け。こんだけあれば大丈夫だろ」


 そういってウォルターさんが出してきたのは、短剣に盾に、お、探知の補助を入れる探知石ですね。それと強弓に矢筒と矢が30。大盤振る舞いというやつじゃないですか?


 これだけあれば、大抵の敵には負けませんとも!


「ありがとうございます!じゃあ行ってきますね!」


「ああ待て、初めての仕事だから簡単に手順を説明する。向こうに着いたらギルドの証明書と依頼書の提示を求められるからそれを見せて、仕事をこなせ。終わったら完了の署名を依頼人から記入してもらって帰ってこい。わかったか?」


 これは至れり尽くせりというやつではないでしょうか。親切にされると嬉しくなりますよね。というわけで私は、とてもほくほくとした気持ちで仕事に向かうのでした。



ロディが仕事に向かった後、ギルドは少しだけざわついた。新人が受けた依頼は難度Dクラス。初心者にはままある仕事のランクではあるが、それは4ものである。単独で行く場合、最低でもBクラス、下手したら星の輝きの第一線、トップランカーが向かうべきなものが殆どであるからだ。


「危なくないの?」「遂に追い出しが始まったのか?」「これは新人には荷が思いだろ」と色々な意見が飛び交う中、ウォルターは一人仕事の達成を確信しているのであった。



 私は道すがら、何度読んだかわからない依頼内容を読み返します。『近くの洞窟にモンスターが群れで住み着いたようであり、これを追い払ってほしい』内容としてはこれだけですが、それでもその地に困っている人がいるということ。これは一層気合が入りますね!


 そうこうしているうちにご依頼の村が見えてきました。徒歩で行ける距離で本当に良かったです。馬も扱えばするんですけど騎兵の様には扱えないのでね。せっかくなら扱えた方が格好つくじゃないですか。


「すみませーん!ギルド星の輝きから依頼を受けてまいりましたロディと申しますー!」


「おお、これは元気な子が来てくれたね!じゃあまずはギルドの証明書と、依頼書を見せておくれ」


 村長さんは痩せ型のお爺さんといった感じで、いかにも村長!って感じの見た目をしていました。ウォルターさんに教わった通りにギルドの証明書と依頼書を村長さんに見せます。


「…はい、ありがとうね。それじゃあ依頼の洞窟なんだけども」


 と、親切な村長さんからモンスターが住み着いたとかいう洞窟の大まかな形を、簡単な地図で教えてもらいました。


 なるほどなるほど、入り口にできる穴が三つと、空気抜きの穴がいくつか。これならあの手が使えそうですね。続いて探知石を使った≪探知≫でモンスターの量を確認します。


 小さいのは数にして大体30といくつか。それに大きいのが一つですね。見張りとして立っているのがゴブリンなので、恐らく異種混合は殆どないかな?となると大きいのはオークか、ハイゴブリンかといったとこでしょうか。ゴブリンとオークには共生関係にあることがよく見られるとのことなので。


 ハイゴブリンだったら少しだけ楽なんですが、まぁここはオークと仮定して策を進めましょうか。やることは変わりませんし。


 決戦は明日の明け方として、手数と素材が足りませんね…村の人たちに協力してもらいましょうか。

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