第93話



 食堂で三人が揃うと暖かきスープが運ばれてきた。


「ドウゾ、オ3ニンサン、メシアガッタレヤ」


「え、」


 と3人が顔を見合わせる。

すると料理長のマギーが笑いながらやって来る。


「あら、御免なさいね。この子ったら、まだ地球の言語を使い切れないでいるの。後でしっかりと教育しておくからね」


「イヤダ、マギー、コワイ、オカミサン、カンベンシテヤッテオクンナマシ」


 マギーは、A.I.お手伝いロボットを軽く片足で蹴ると、


「ほんと、この子だけが地球の言葉になれないで困っているの。さぁ、冷めないうちにどうぞ」


「・・・・・・。」


「どう?」


「美味い」


「ほんと、美味しいわ」


 三人が口を揃えて言う。


「でしょ、特性スープだもの」


 そこで、ニーナがマギーに尋ねる、


「ねぇ、マギー、このスープの名前をルーに聞いたら訳のわからないことを言うの。本当の名前は何て言うのかしら?」


「あら、このスープの名前? ええーとー、優しき未来のスープ、よ」


「ウソツイタラアカンデヨ、シンメニュージャキニ、ナマエ、ナド、ツイトランゼヨ」


「あなた? まだいらしたのですか? とっととあちらに行ってくださいませんでしょうか!」


 そう言いながらマギーの蹴りがお手伝いロボットに入る。

三人は笑いながらその様子を見ているが、ニーナだけは、


「優しき未来のスープ・・・」


 目を潤ませて微笑んでいる。


「オイ、リー、トカ、イッタナ。オンナヲ、ナカセチャ、イケナイゼ」


 またもやマギーの蹴りが炸裂する。

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