第74話



 ニーナの放ったレプトンが勢いよく迎撃隊の横を通り抜けると、さらに後方の護衛機が攻撃をやめ、大きくぐらつく。


「今だ、全機へ告ぐ、目標は護衛機のみ。レプトンのエネルギーレベルを下げて連続射撃だ」


「フォー2、了解。レベル07で連射します」


「フォー3、同じくレベル07で連射」


 全く動きの取れなくなった護衛機に迎撃機が攻撃を仕掛け、レプトン粒子を受けた護衛機に次々と穴が開き、開口部からオレンジの炎が見え、そして大破する。


 ルーの放ったレプトン粒子で動きを失った護衛機以外の全て、4機の護衛機が大破した。

今度は、フォー迎撃隊とハァー1の挟み撃ちを受けることになった戦闘機隊は、逃げることもできずに打ち落とされて行く。


「帰還する。ハァー2、聞こえるか、一度帰還する。こっちもそれなりに傷があってね。一度帰る」


「こちらハァー2、今の衝撃はなんだ?」


「ハァー2、どこにいる?」


「敵艦隊の後ろをつけている。目視出来ないくらいの距離だが、レーダーでは捉えられていると思う。ところで、あの衝撃波は?」


「ニーナだよ、レプトンを撃った。一定の距離を越えれば粒子は散らばって威力をなくす。威力がなくなる前の粒子の散開を護衛機に送って衝撃を与えた」


「あの衝撃波は、それだったのか」


「船長さん、月からの良いお土産をありがとうだ」


「戦いは道半ばだ。我々も船に戻るが、着艦できなくても敵の攻撃に応戦できるよう準備しておいてくれ」


 ハァー2迎撃機は、再び大きく航路を取って敵艦素粒子砲の射程距離を超えて海賊船へと向かう。

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