SIDE B
「はぁー」
天野は大学の学食で缶コーヒーを飲みながら大きなため息をついた。その横に座っているジェームズが
「ドウシマシタ?」
と心配そうに聞く。
「昨日、鈴木くんにデートのプランを考えてあげるって言ったんだけど高校生の恋愛ってよくわかんなくって・・・」
天野は、今まで彼女がいたことはあるが、クリスマスまで持ったことがない。しかも、今までの彼女とは手を繋いだこともない。デートに関する知識は鈴木と変わらない。
「ナルホド」
そう言って、ジェームズはスマホの画面を天野に見せる。スマホの画面には、一面が青く光っているイルミネーションの画像が映っていた。
「コレドウ?」
「どここれ?」
「シブヤトイウバショミタイデス」
詳しく調べてみると、『青の洞窟』というらしい。
「いいかもしれない・・・」
「ソウデスカ?」
「うん、色々なサイトに載ってるよ」
ここなら、鈴木くんに自信を持ってお勧めできると天野は思った。
「よくこんなの知ってたね」
今年、日本に来たばかりなのになんでこんなにいいところを知っているのか、天野は不思議に思った。
「スズキクンガデートニイクトイッテマシタ。ダカラルームメイトニキキマシタ」
「そうだったんだ」
天野は、鈴木がジェームズに伝えているとは思わなかった。そんなことを思っていると、あと五分で講義が始まってしまう。
「やばい講義が始まる」
「ダイジョウブデス、シュッセキトラレマセン」
ジェームズは、余裕な表情で天野に呟く。
「でも、ちゃんと受けないとテストで詰むから・・・」
「ソウナノデスカ?」
天野とジェームズは、急いで講義室に向かった。天野はデートプランを家でまとめて、鈴木にPDFファイルで送ることにした。
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