SIDE B

 俺、葛西誠は親友の鈴木直人とファストフード店に来た。店の中に入ると、中学の時、好きだった玉川梓がテーブル席で友達を一緒に勉強をしている。


 俺が、高校で好きな人ができない理由は、玉川さんのことがずっと好きだからだ。俺は中学の時、玉川さんに告白することができないまま、離れ離れになってしまった。


 俺と直人は、玉川さんが座っている席から見て、斜め右の席に座った。ひょっとしたら、俺の存在に気がついて声をかけてくれるかもしれない。そんなことを思いながら、ホットコーヒーを飲んでいた。


「にがっ」


 こんなにブラックコーヒーって苦かったかな。そんなことを思っていると、


「なんでコーヒーなんて頼んだんだよ」

と直人が突っ込んできた。


「あそこにいる女子高生にカッコつけたいから」


 俺は、本当のことを言った。玉川さんにいいところを見せたいと思って俺はホットコーヒーを頼んだ。



・・・



 俺は、物理基礎のワークをやり始めたが全く集中できない。なぜなら、斜め前に玉木さんがいるからだ。しばらく勉強をしたが、玉木さんが店を出たと同時に勉強をやめた。


 そして、直人と恋バナになった。直人と米村さんの関係を見ていると、俺と玉川さんみたいになって、直人が後悔するんじゃないかと少し心配だ。神様が二人をいいように導いてくれたらいいけれど。

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