SIDE B

 俺、上坂哲也は、麻里奈が通っている高校の最寄り駅付近を暇な時は散策している。まあ、ほぼ毎日散策している。もしかしたら、麻里奈に再開できかもしれないからな。


 今日もいつものように駅前を散策していた。駅前のコンビニの前を通ると、中に麻里奈らしき人が店員と話し込んでいる。とりあえず、中に入ってみよう。俺は、中に入った。顔を見ると、やっぱり麻里奈だった。


「あっ、やっぱり麻里奈じゃん」


「なんでここに・・・」


 麻里奈は、とて冷たい目で俺のことを見つめてくる。彼氏なんだから、そんな顔で見つめないでほしいな。


「あのー」


 細くて弱々しい男が俺に声をかけてきた。俺と麻里奈の会話を邪魔するな。


「後ろに人並んでるんで・・・」


 後ろを見ると、鋭い目つきで俺のことを見ている、会社員のおじさんがいた。多分、退かないと面倒なことになるから店を出よう。


「ああ、わりー」


俺は、店を出た。さっきはあんまり、麻里奈と話せなかったが、しばらく駅のホームで待っていれば、二人でまた話せるだろう。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る