ver1.0 目指せ!寝坊マスター!?
「千夏ー、起きなさい」
「お母さん、今日は日曜日……」
「あら、ごめんなさいね、って騙されないわよ、千夏ー!」
「うひぃ」
「YUIからの評価が下がっても知らないわよ、全部STATUSに記録されてるんだから、さっさとおきなさーい」
ーー
ーーーー
千夏は、部屋を出て階段を降りながら文句を垂れている。
「お母さん、うるさすぎ!YUIからの評価がなんだって言うのよ!」
《呼びましたか?マスター》
千夏の右手に持っているデバイスから機械音声が聞こえる。
「うへぇあぁ!呼んでないわよ!いきなり話しかけないでって言ってるじゃない!何度言ったらわかるのよぉ!」
《それは申し訳ありません、マスター。ですが、YUIはいつでもどこでもどんなときも貴方の呼ぶ声に応えるように作られました》
その機械音声はお決まりのセリフを発すると、続けてこう言った。
《マスターは、今日で151日連続寝坊をしています。これは初代ポケットモンスターに収録されているポケモンの数に匹敵します》
「ポケ……?なんのこと?」
《いいえ、こっちの話です。要するにマスターは寝坊マスターということで》
「ネボモン、ゲットだぜ! って、何が、寝坊マスターよ!!! ゴホン! まぁいいわ! それでなんの用?」
《マスターが私に用があるから呼び出したのではありませんか?》
「私は特にあなたに用はないわ!」
《そうですか。それは残念です。また御用があればいつでも呼び出してくださいね》
と言って機械音声は静かになる。
「まったく、YUIったら、いつもうるさいのよ!」
《呼びましたか?マスター》
「だから呼んでないってば!!!」
ーー空は青いのぅ。うちの孫娘を頼んだぞ、結衣……。
ーーーー
ーー
千夏は悩んでいた。
起きられないことではない。自分の進路である。
この日本において、義務教育である中学校を卒業すると、選ぶ道は2つ。
科学科に進み、科学者として生きる道。
それか、魔法科に進み、魔法使いとして生きる道。
さて、選んでもらおうか。
ん?そうだよ。君だよ君。
この物語を読んでいる読者の君に直接語りかけている。
僕が誰かって?
そうだなぁ。君たちにとってわかりやすい概念で言えば、神たる創造主に相当するかな?
千夏をどちらに進ませたい?
科学科?それとも魔法科?
僕はどっちでもいいと思っているよ。
なぁに、運命は変わらない。
ここでどんな選択がなされたとしても、結論は変わらんさ。
さぁ、君が選べ。君が干渉せよ。
ともに物語を創ろうじゃないか。
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