最終話
もうすぐ彼の選手人生という長いマラソンが終わる。
そして一般人としての人生が始まる。
マラソン大会という競技も終盤を迎えている。
残念だがもう一位は取れない。
だからと言って二位もとれないが諦めたらコーチを裏切ることになってし
まう。
期待を裏切らないためにも全力で走り切りたい。
やっとゴールが見えてきた頃。
もう十位くらいまでゴールしているだろう。
腰が痛いがゆえに本気は出せない。
が、彼には努力という誰にも負けない経験がある。
そこからというものぐんぐんと加速をしていった。
マラソン大会、そして選手人生が終わりを迎える。
ゴールは目の前だ。
その時、これまでの努力は報われたと実感した。
ゴールをすると、順位は十九位。
疲れて座っているとコーチが近くに来た。
「よくやった」
褒め称える言葉の後に続けた
「俺の言ったこと覚えていたんだな。うれしいよ」
「ありがとうございます。一位とれませんでした(笑)」
「まぁ取らなくても良いと言ったらうそになるが今回ばかりは仕方ない」
「十九位は表彰されないですね。しょうがないっすね」
「あぁ、でもまだ人生は長いぞ。何かしら表彰されるだろう」
「わかりました。これからはゆっくり過ごしていきます」
「おう!頑張れよ」
「はいっ!!」
こうして彼の選手人生は終わった。
しばらくたって二郎に一つの通知が来た。
『あなたは世界記録を樹立しました』
(何の?)
いきなりそんな通知が来て驚いたようだ。
『公式大会の中で準優勝の最多記録です』
そう書かれていた。
『登録してもよろしいでしょうか』
(あんまりうれしくはないがいいだろう)
すぐに返信した。
「ありがとうございます。すぐに登録していいですよ」
『返信ありがとうございます。では、登録させていただきます。後ほどそ
の証拠が送られると思いますのでお待ちください』
(なんかもらえた。今までほとんど二位だったからもらえたんだな。快くもらっておこう)
数日後に届いた。
【最多準優勝 二宮二郎殿】
彫られている名前を見て思った
「やった!これは一位を取ったのと同じだよな!」
そのままのテンションでコーチに連絡する。
「一位とれました!」
「よかったな。何でとったんだ?」
「最多準優勝です」
「お前らしい賞だな。俺もお前のコーチができて光栄だな」
「本当にありがとうございました」
「こちらこそありがとう」
こんな会話をして終わった。
二郎はふと思って喜んだ。
「一位とれた!!!」
コーチと話したことで実感がわいたようだ。
そこからも努力を重ね、彼はスポーツ解説者として働くことにした。
これが ‘‘シルバーコレクターの努力’’ だった。
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シルバーコレクターの努力はこれでおしまいですがよかったらほかの小説も読んでいただけたら嬉しいです。
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シルバーコレクターの努力 kazanagi byo @kazanagi_byo_6
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