第13話
ハードルの大会での好成績を目指し走り続ける二郎。
最初の時よりもハードルを跨ぐ意識ができている。
そのためタイムは大きく向上している。
今回は自分で考えて作り上げた練習だ。
だからこそ一位を取ってもらいたい。
彼の努力は誰もが知っているだろう。
なぜなら全国に特集で組まれ、放送されているからだ。
ただ、この大会で起こる悲劇については誰も知る由もないのだった。
ついに始まったハードルの大会。
各選手がアップを始める。
もちろん二郎もアップを始める。
そこで悲劇が起こった。
ハードルの着地で意識することとして一つ例を出していたことを覚えてい
るだろうか。
それは片足ずつ足をおろすというものだ。
彼はハードルに躓いてしまった。
躓くのは仕方ないがその後どうするかが重要だ。
その時も片足ずつ降ろさないと危ないのだが、彼は両足でおりてしまっ
た。
その時彼は感じたのだった
(ピッキーン...!)
なってはいけない効果音が聞こえた。
なんと、腰をやってしまったのだ。
かなりの勢いで降りてしまったためしばらくの間立ち上がれなかった。
それを見ていたほかの選手のコーチが救護室に連れて行った。
あまりに重傷だったため今回のハードルの大会は棄権となってしまった。
病院へ連れていかれた。
そのままレントゲンを撮られ、結果を診断してもらった。
医師は言った。
「この結果だとこれから運動することは控えたほうが良いでしょう。スポーツ選手ならけがの覚悟はできているはずです。いきなりこんなことをいうのも気持ちよいものではありませんがこれからの人生どうなっても良いのなら好きにしてください。いやなら治療に専念したほうが良いでしょう。ただ、治療をしても運動はほぼできないに等しいでしょう。」
突然のことで二郎も頭の整理ができていないようだ。
「これからスポーツができない」
この言葉が彼に突き刺さっていたようだ。
(まだ一位をとれていないのに、一位を取るチャンスがなくなってしまう)
スポーツ選手ならこのことは思うだろう。
いきなり選手生命の危機と言われた彼はどんな決断を取ったのだろうか。
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