第11話
一気に時が進んで五か月後...
体操大会当日。
ここまで様々な練習をこなしてきた二郎。
自信をもって復帰の舞台に立つ。
まずはマット。
正解はないがどこか見ていて変に見えることがあった。
結果は五位。
復帰一発目の舞台なので仕方ない。
ただ、少し彼は緊張し、自信を無くしていた。
次に鉄棒。
すべての技をきれいにこなしたが着地で少しぶれてしまった。
結果は二位。
ここにきて本領発揮だ。
これには本人も苦笑い。
吊り輪では持ち前の体幹を発揮して安定の二位。
演技も安定していた。
(おいおい、そろそろ一位とりたいぞ)
自信はもうないことはないようだが、焦りはあった。
鞍馬ではいつもより張り切って臨んだ。
動きのキレが良くなっている。
残念(?ながら二位だった。
残るは跳馬。
火事場の馬鹿力を発揮できるのか。
なんと踏切の足が合わず、飛ぶことができなかった。
またもや大事なところで躓いた。
結局五位 二位 二位 二位 に終わってしまった。
今回は彼も悔しがっている様子はなく、当然のことのようだった。
(五種目に出るとか、無謀すぎだろ。何やってんだろう)
やっと気づいたようだ。
五種目出ることの難しさに。
こうして体操大会は終わったのだった。
そしていつもの通り特集が組まれた。
『特集 五種目出場⁉二宮二郎』
先日の体操大会で五種目に出場した二宮選手に取材をしました。
「Q.先日はお疲れさまでした」
「A.ありがとうございます」
「Q.五種目に出ると決めたときはどんな気持ちでしたか」
「A.やってやろうと思ってました」
「Q.今回はどんなことが大変でしたか」
「A.すべてやらなければいけないことです」
「Q.復帰一発目になりましたがいかがでしょう」
「A.今まで迷惑をおかけした方々に返したいという気持ちがありました」
「Q.今回の結果はどう捉えましたか」
「A.まだまだ未熟でした」
「Q.これからの活動とファンの皆さんへ一言」
「A.次はハードルに出ようと思います。そして申し訳ありませんでした。これから応援よろしくお願いします」
二郎はもう次の競技を決めているようだ。
一位をとれるのだろうか。
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