~低迷~
第6話
心にぽっかりと穴が開いてしまった二宮二郎。
ここからどう巻き返すのだろうか。
世界選手権が終わってから一週間たっても彼の顔を見た者はいなかった。
犯罪でも犯したのかというくらい出てこない。
特集を組もうとする会社も取材しようにもできない。
彼に一通のメールが届いた。
『二郎へ 元気か?お前の走りは見事だった。ほかの競技にも出ている
ようだな。どんな競技でもいいからもう一回出てくれ。全力で応援してや
るよ。』
それは父からだった。
そこで彼は思った。
(う~わ 世界二位になったからって近づいて有名になろうとしてる。
今まで何の連絡もなかったくせに。これがあれか、宝くじ当たった瞬間に
家族増えるみたいなことか。腹立つな。スルーだな。)
彼はいつの間にか有名人になっていた。
そこまで来ると家の特定なども容易だ。
「ピンポーン!」
(なんだ?まぁ出ないけど。)
二郎は捻くれてしまった。
大切な存在がいなくなるとこうなるのか。
(一回引っ越したほうがいいのか?)
玄関のチャイムに出るより引っ越しのほうが楽なそうだ。
引っ越しすることを決めた。
もちろん引っ越し先は山の奥・ド田舎である。
人がいない場所に行きたいという願いはかなった。
もう一人の時間は守られるだろう、そう思っていた。
そんな矢先 「ピンポーン」
「誰だよ!」
ついに怒りが爆発!
ドアを思いっきり開けてけがをさせるつもりのようだ。
ドアノブに手をかけたその時、
(世界二位だ、自信持て)
心の中のコーチの声が聞こえた。
「俺、もしかして人気ある?!」
自信過剰(でもないが)になってしまった。
情緒不安定というのか、とにかく不思議だ。
ゆっくりとドアを開けるとそこには二郎の顔とよく似た男が立っていた。
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こんにちは kazanagi byo です。
ここから第二章が始まります。
病んでしまった彼はどうなるんでしょうね。
お楽しみに!
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