プロローグ2 in the Imanigard

時を同じくして、イマニガド戦闘ギルド


「いやー、まさかここに新ダンジョンとはねぇ...」

「それも街のど真ん中に...」

「報告早く上げて頂戴?対応が遅れたらギルドの威信に関わるわ。」

「は、はひっ」


「ダンジョン管理課」のプレートが下がるある一室で長身の女と若い男が複数名、神妙な趣きで向かい合っている。


「えー、先程までの調査の結果の結果をご報告いたします。先行の調査隊が転移門に入ったところ、島形のダンジョンに転移した、とのことです。そこには人形のモンスター数匹と、水に浮かぶ大型のモンスターが数十匹いたそうです。安全確保のため、モンスターたちはすべて焼き殺した、とのことですが、詳細はまだ上がってきておりません。」

「それで、今は?」

「現在は管理課と警備課が合同で転移門周辺を規制しています。」

「冒険者たちの様子は?」

「今のところ目立った暴動などは起きていません。すこし、ロビーが動けない程度には混んでいるだけかと。」

「ダンジョンの整備の方は?」

「土木課がいま建設用意中です。明日にはダンジョン内の拠点の整備を始めるとのことです。」

「明日、か...」

女の額にしわがよる。

「で、でっ、できるだけ早くするよう、言っておきますっ」

「よろしくね?」

男の焦ったような声を聞き、女の口は笑う。目は笑っていないが。

「それでは、今後の対応指示します。土木課は早急にダンジョン内外整備を。警備課は冒険者が暴れないように抑えてて。管理課は今すぐダンジョンのレベルとモンスターの詳細をまとめて。総務課は情報をまとめて、逐次掲示板で報告。質問はないわね。では、解散。」


慌ただしく動き出す人々。彼らは知らない。いまあちら側で何が起きているのかを。

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