第13話 鳥肌が・・
家に帰ると サモンに聞く。
「サモンは大工だよね? この納屋くらいの大きさの家は建てられる?」
「えぇっ、大工ですので。 ・・工具と木材が揃えば・・」 サモンが答える
「大家さんに聞いて 建てられる許可がもらえたら 準備しよう。
納屋もよく使うし だいぶ古そうだからね。」
リコに話して バローズさんに聞いてもらう。
リコが戻ってきて 「聞いてきたわ。大丈夫だって。 この先ここを使う予定も
無いから 納屋でも家でも建てていいって。」 続けて
「出て行ったときに残ってたら わしが得をするだけじゃからって言ってたよ。」
OKが出たので サモンに必要な工具や 木材の量を聞く。
ダンジョン攻略の合間に ぼちぼち進めていこう。
リコは 「納屋の後は 新しい家を建てましょうよ 手伝うから。」 と言うが
借地なんだよな~
夕食の時間に 明日のことを話す
明日は 朝から4~6階層を 進んでいこう。
4~6階層は ウサギの魔物 オオカミの魔物が出る階層らしい
「目標はなるべく下の階層まで進むことなので
今回は ウサギもオオカミも 確保しないで先を目指します。」と俺が言うと
リコとリンは 「了解です!」とそろえて言ってくれる。
7~9階層は アリ系の魔物と蜘蛛系の魔物だ。
冒険者が 何人かは通過しているのだから 転移すれば大丈夫かな?
「7階層から先は 様子を見て いける範囲でがんばろう!」
「おぉっ!」 リンとリコがコブシを上げた。 このノリは人類共通なんだろうか?
サモンはうなずいている。
夕食の後 サモンは納屋の片づけや 寝る場所を整えに行った。
サモンは肉入りのスープ6杯 パンは4個くらい食べた。
お代わりごとに 恐縮しながら聞いてきて、リンを制して 自分でよそっていた。
一杯ごとににっこりした笑みが漏れていたので 多分、部屋で満腹に浸っているのだろう。
俺はいつも通り リコとリンに この街のことや歴史や常識など
俺の知らないことを教えてもらった。知らないことばかりなんだけど・・
リコが間違って覚えていたことを リンが訂正して 2人でケラケラ笑っている。
俺は 心の中で神様にお礼を言う。 幸せな転生をありがとう。
出来ればこんな感じで ずっと行きたいです。
勇者になったり 魔王と闘ったりしたくありません。
王様になったり 爵位を与えられたり 領地を持ったりもしたくありません。
ハーレムはいりません。王女や貴族令嬢もいりません。
聖女も女神もいりません。 幼女や変な語尾の女の子も近づけないでください。
心の中でそっと祈った。
翌朝は 準備を整えダンジョンに向う。
家の中から 3階層の階段近くの廊下を背にして4人横並びで転移する。
間近に魔物がいた時 すぐに転移で排除できるよう盾を身構える。
廊下の途中に オークがいたので転移させる。
階段を覗き 4階層に降りる。ウサギの魔物を発見した。すぐに転移させる。
ウサギの魔物は 体高1m近くある 結構大きい。
今日は 下の階層まで早めに進んでいこうと決めていたので
見えたウサギの魔物は片っ端から 転移で飛ばしていく。
ほどなく階段が見つかり 慎重に降りていく。
5階層はウサギとオオカミの混合だ また共存しているようだ?
またもや 片っ端から転移していく。
洞窟なので 草や木が無いため 見通しが良く 思いのほか楽に進める。
リンが洞窟の先に 階段を見つけた わずかに床が無くなっているところがある。
目がいいのは役に立ちます。
6階層はオオカミの魔物のみだ 変わった模様の奴もいたが 転移させる。
一瞬 牛が2本足で歩いていたが 反射的に転移してしまった。 まあいい。
次の階段を発見した! 思っていたより、だいぶ早く3フロアを攻略した。
休憩を考えたが 3人とも疲れも見えないので 次の階に行く。
7階層はアリの魔物だ アリの巣のように密集はしていないが
大きさは大型犬くらいある。 体は硬そうで黒光りしている。
この大きさなら高いところから落とせば 死ぬのか考えたが 今度にしよう。
数は少ないなと考えていたら 覗いスペースに4匹 密集していた 怖い。
キャァ リコが悲鳴を上げる。
まとめて一度に 転移した。
ちょっと 手こずったが 次の階段を発見した。
8階層は アリと蜘蛛の階層だ。
アリを2匹排除したところで 蜘蛛を発見した。 蜘蛛がでかい。
リコとリンも蜘蛛が苦手らしく 悲鳴をこらえている それはそうだろう 脚の関節の高い部分で
高さ1m超えている 横から見ると長さ2.5mくらいか 鳥肌が止まりません。
8階層の階段も 早めに見つかった。
普通にパーティで攻略する場合は 1匹づつ倒していくんだろうか?
勇者だったら一撃で 切り殺すんだろうか? まあいいか
こんなダンジョンに入るなんて 正気の沙汰ではない。
9階層は蜘蛛のみだ 洞窟の幅や高さが広くなっている 蜘蛛の巣はない。
ダンジョン内では意味がないのだろう。
数が少なかったので ここも難なく階段を見つけた。
階段の横を 転移ポイントにして 記憶にとどめ 一回切り上げよう。
なんと 午前中で9階層まで行ってしまった。
アリと蜘蛛には ゾッとした。 夢に出そうだ。
もうすぐお昼だ。家に転移して 一休みしよう。
家に着き椅子に座り 一息ついた。
歩いていただけなのだが 結構 疲れた。
リコを見ると 俺と同じようにぐったりしていた。
「リコ、大丈夫か?」と聞くと リコは 「蜘蛛が大きくて 怖かった~。」 と言う。
やはり 恐怖と緊張が 精神をすり減らしているようだ。
リンとサモンは それほどでもないようだ。
2人には主に後方を見てもらっていたからだろうか?
リコは 俺と並んで 前と天井に気を付けてもらっていた。
リンがお茶を入れてくれて 「お昼ご飯の用意をしますね。」 と普通にしている。
10階層はスライム 11階層からは植物系の魔物が出てくるらしい。
スライムは見たことある? 聞くと みんなが見たことがあるという。
「人は襲わないと思うわ。ゆっくり動くだけだし。」 リコが教えてくれる。
見たことがないので想像がつかない。
お昼ご飯を食べ 1時間ぐらい休むと 疲れも取れ 早く進みたい気持ちもあり
「続きの10階層から進んでもいいかな?」 と聞いてみる。
みんなそのつもりだったのか はいと返事をしてくれた。
よし、続きを進もう!
9階層の壁に合わせて4人で横並びに転移する。
蜘蛛は数が少ないのか 階段のそばには何もいなかった。
10階層の階段を降り見渡すと 3方向に分かれていた 真正面にスライムが1匹いた。
こちらを気にすることもなく ゆっくり離れていく。
今はスライムについて調べてもしょうがないので 念のためすべて転移する。
普通の冒険者パーティだったら この階層が休憩エリアになるんだろう。
この階層は落ち着いて 階段を探せた
11階層は スライムとともに食虫植物が生えていた。 ハエトリソウである。
口のように開いていて 虫が入ると閉じる そして溶かして食べる。
そんな素早くは動かないはずだが 大きく見た目が怖い。
とりあえず 目に入った植物もスライムも 転移させ消し去る
12階層は植物のみで 追いかけてこないため 11.12階層とも落ち着いて階段を探せた
読んできた本にもあったが 12階層に アダマンタイトがあるかもしれないと思ったが
特に変わった石などはなかった。
ここから先は 本にも書いていない階層なので 行ってみないとわからない。
次の回に進もう 皆に伝えるとうなずいた
13階層を覗こうとすると ブーンと羽音が聞こえてきた。
ハチだ! 見えた瞬間に転移してしまったが・・・
みんなに言う 「今までで一番危険かもしれない ハチの魔物だ。」
ハチが飛ぶためか 13階層は洞窟内は広く 幅10m 天井高10mくらいある
降りる階段も今までの3倍くらいの長さがある。
ハチはミツバチのように やや丸っこく胸の周りが毛に覆われていた。
大きさは 頭からお尻まで70cmくらいだろうか
敵意はあまり感じないが 針があるし飛んでくるため
階段から覗き 見える範囲の8匹くらいを転移した。
リンが 「ミツバチですね。ハチミツがあるかも?」 と言ったが
ハチの巣があったら 手に負えないだろう。
大きく曲がった先の遠くに一匹 あてどなく飛んでいるハチがいる
強襲されたりすると危険なので転移で外に出す。
広い曲がり角を進むと さらに5匹飛んでいたが 転移させた
ハチの巣はない 構内が大きいだけに階段はすぐに見つかった。
14階層もハチがいるため 大きい洞窟になっている。
見えるハチを転移していると 恐ろしい魔物が目に入った。
あれはムカデだ 長さ2m弱 幅40cm 地面を這いまわっている。
ハッとして 後ろの壁や階段の天井を見る 近くにはいなかった。
リコが大丈夫よとうなずくが 脂汗をかいている。
ハチ・ムカデとも見える範囲は 片っ端から転移で消していく
14階層では ハチは10匹くらい ムカデは20数匹転移させた。
15階層は ムカデの専用エリアは容赦がなかった。
天井の高さも 3~4mくらいに戻っている
もうこれは 気持ち悪い 天井にも這いまわっている
数が結構多く 重なったりしながら蠢≪うごめ≫いている。
転移魔法が無かったら 剣で1匹づつ突き刺していくんだろうか?
慎重に壁や天井にも気を付けながら 排除していく。
見える範囲にムカデがいなくなると ようやく冷静になれる。
洞窟のスペースは1カ所づつ覗きながら ゆっくり進み ようやく階段を見つけた。
ものすごく疲れた。 リンもサモンも今度はヘトヘトだ。「今日はここまでにするが 次回の転移ポイントはここじゃあ気持ちが悪いので 16階層に降りておこう。」俺が言うと 皆うなずく。
次回の転移で いきなりムカデの上だったらシャレにならない。
16階層が毛虫だったら どうしよう?
16階層に慎重に降りていくと 洞窟の先を覗いてみると
イノシシの魔物だ。でかくて毛並みが真っ黒だ 牙だけ白い 2匹いる。
実質はイノシシの方が危険かもしれないが ムカデよりホッとする。
転移して 今の場所を次回の転移ポイントとして 覚える。
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