第8話 何をしたー!
小麦粉を大きな麻布の袋に1袋 油を2本 その他 肉・野菜
諸々買い込んで ようやく買い物が終了しました。
薬屋を見たが リンの腕に塗る軟膏は リコがかってくるらしい
少し中を覗いてみたが 様々な薬品が置かれている。
ポーションが売っていて 金貨8枚となっていた 160万円か
効能の薄いものが 少し安く置かれている。
なぜか魔力回復薬が 売っている 魔法あるのか?
荷車は快調だが木の車輪なので 結構重い。
「リン 裏道から行こう。」 俺は言い 裏手の路地に入る。
前後を見渡して 人がいないことを確認すると
転移! 路地の一番先まで荷車を転移させる
そこまで追いついたら 又、押し始める。
人目は気になるが 利便性には勝てません。
西門は相変わらず門番がいない
こちらに1人歩いてくるが 他には人気は無い
門に向ってきた人とすれ違いに 挨拶をかわし
その人が 門に入ったのを確認して 荷車を200m先まで転移させる
何度か繰り返し 家に到着した
家に着いたら 荷物を二人で運び込み 一息ついた。
家の中のことをリンに任せて 自分の部屋で考える
転移魔法でできることは 大体把握したと思う。
最後に必要なのは 俺自身を含めた 転移なのはわかっている
実は自分の転移は 少し怖い。 いろいろ転移させてみたから
まず大丈夫だろうと思っている 神様も自分が移動できるのは
便利じゃろうと言っていたはずだ。
なにせ、この異世界に転移してまだ2日である 焦ることはない
そう思いベッドに転がる。
買い物をしていた時に思ったのだが
俺はせかせかしすぎてるのではないだろうか
現代人の悲しい性か 1回街に出たら 必要のものは全部
買って帰ろうとしてしまう。
持ちきれなければ また次に買い物に来た時に買えばいい。
リンに異常にせっかちな人と 思われてないといいな。
寝転んで窓の外を眺めていると 頭の中で神様の言ったことを思い出す。
「ん~ ではそうじゃな 転移の魔法を授けよう。
物を移動したり 自分が移動できたり便利じゃからのう。」
そうだよね 神様が自分が移動できるって言ってたんだから
100%できるよね
うずうずすると 無理に寝転んでいる意味が分からなくなる
やってみよう! ・・・やっぱりせっかちなのかも
俺は部屋に立ち 窓の外を確認する。
自身に向けて 転移!俺は窓の外に立っていた。
ふいに視点が変わり焦ったが ふらついたりはしなかった。
タイムラグも感じない テレビのチャンネルを変えるのと大差ない
自分の手足を確認し 肩や首を動かしてみる 異変は無い。
もう一度部屋に転移して 今度は思い切って 荒れ地に転移する
おっ、できました テレポーテーション獲得!
その後 上が平らになっている岩の上に転移したり 色々試し
自分の部屋へ 転移する。 完璧!
「リン!」 伝えに部屋を出ると リンが椅子を拭いていた。
新しい服のまま 少しかがんでいる後ろ姿に 目を奪われる
おおっ、素晴らしい。
転移の獲得より リコの脚を見た方が 嬉しくなっている自分が恥ずかしい・・
こちらに振り向くリンに 「ちょっと見ててくれないか?」 と
俺は窓の外に転移する 窓の外から手を振った。
たぶん いきなり後ろや隣に転移されると怖いだろう
家の中では使わないようにしよう。
戻るよ~と 家の中に移動する。
「ご自身も転移できるんですね。」 リンが言う
「うん で、リンも一緒に移動できるか試してみていい?」 と聞くと
「はい!」 と 躊躇なく抱き着いてくる。
抱き着く必要はないのだが まあいいか そのまま窓の外に転移!
わぁ すごいですね 予想通りと思うが 一応ほめてくれる。
次はそのまま荒れ地に飛ぶ。
ここまで移動すると さすがに感銘があるのか
わぁ、便利ですね~と 喜んでいる。
大岩の上にも転移し 見晴らしを楽しむ。
その後は 抱き着いた状態でリンだけ転移できるかも確認する
次に 抱き着かないで2人転移することも確認する。問題ない
さらなる検証が終了した。
「リン、ありがとう 家に戻るよ。」 と言うと
やはり抱き着いてくる 置いてきぼりになりそうで不安です。とのことだ
必要な検証を終えて 家の庭に戻ってきた。
納屋の横に木の棒があったので
リンに 木の棒を剣に見立てて構えてもらい 棒だけ転移させる
どんな感じか聞いてみると いきなり棒の重さがなくなります とのことだ
これで敵の武器を取り上げられることも解った。
よし すべての準備は整った! とは思わないが
魔物の攻略のめどはついたので
「リン、明日は薬草採取に行ってみようか?」 というと
「はい!用意します!」と水兵のように敬礼した。
気になっていた 自分自身の転移が うまくできたので
ようやく心から寛げる。 夕食までのんびりしていると
日が暮れかけたところでリコが帰ってきた。
「お帰り。」 と声をかけると
仕事が終わって 知っている孤児たちみんなに リンが解放されたことと
しばらくここに住むことを知らせてきたとのこと
「ここにいるって言っちゃったけど いいよね?」 と聞くので
「ああ 構わないよ。」 と答えた。 よくわからんが・・
ずっとここに住むつもりだけど みんなに言うと悲しむので
しばらくの間はと 伝えたらしい。
持ってきた軟膏は 植物をすりつぶしたもので 自家製だ
リンの布をほどき 薬を塗り また布を当てる。
リンとリコが夕食の準備をして 3人で席に着く。
夕食を食べながら 今日あったことをリンと俺でリコに話した。
転移ってそんなに使えるの? 見せて!
夕食を食べ終えると 俺は庭の荷車を 転移して見せる。
遠くに移動させても 暗くて見えないので 近くを動かす。
「これなら 台車ごと盗めるのね!」 そうだけど犯罪は・・・
次は 3人で転移する 荒れ地は暗くて物騒なので 西門の近くに行こう。
リンが抱き着き リコも習って俺に抱き着く 転移!
西門には 2つ大きなかがり火がたかれていた。
おっ、夜は門番がいるんだ。
見られぬように 転移で家に戻る。
「わぁ これならギルドの金庫室とかに入れるんじゃない?
逃げるのも楽だし。」続けてリコが
「大きい店でも 中に入っって金庫を見つけるだけで 後は転移で戻ってくれば
大丈夫じゃない?」
なるほど・・・ 一応、参考になるが悪事はしません!
「明日、薬草採取に行こうと思う リコは仕事は休み?」俺が聞くと
「うん、休み。 もちろん一緒に行くわ!
仕事って言っても 週に4回で 一日働いても銅貨2枚よ
孤児の就ける仕事は そんなもんよ。」 とリコが愚痴る。
薬草採取は銅貨5枚だったな 3人で行くと ・・・
そっとリコに説明すると まあいいわ 楽しそうだしと返してくる。
翌日は早起きして 装備を付けてギルドに向う。
リコに装備がないので 途中でそろえる。
武器屋ではリコも得意の武器など無ないので 俺と同じ短剣を買った。
一緒にリュックサックと水筒を買って店を出た。
ブーツがないのは知っているので ふつうの靴屋で革製のブーツを買う。
ギルドではシャーリーさんの姿は見えなかったので
他の受付の人にリコの冒険者登録をしてもらった。
掲示板を見ると 昨日とほとんど変わらず 薬草採取の依頼は3枚のみだった。
リンとリコにも見てもらい 相談する。
中の1枚は ジュラバ草 50束 タンガリー湖周辺 報酬銅貨5枚 と書いてある。
これだけ採取のエリアが書いてある。
リコが湖の場所はわかると言う。 魔物がいるので行ったことはないらしいが
東門を出て1時間半ぐらい歩けばつくと 前世で言うと3~4時間程度か・
冒険者ギルドの受付に 依頼書を持っていくと「3人で行かれるんですか?」 と聞かれた。
多分 軽装で無謀に見えるのだろう。
そりゃそうだ 15歳の少年と14歳・13歳の少女で 装備は短剣のみ
「いえ、武装した警備を連れていきます。」
思わず嘘をついてしまった。
はぁそうですか、それなら構いませんが ゴブリンでも剣を持ってますので
短剣やナイフのみでは苦戦します。オークなどもいますのでお気を付けください。
と説明する 受付のおねえさんの顔が心配そうだ。
俺はいくつか質問する。
「ジュラバ草は依頼書の説明通り オレンジの葉に緑のギザギザの縁取りですね?」
「そうです 湖の周辺に生息しています。 見ればすぐわかると思います。」
「50束となってますが 100束とっても報酬は変わりませんか?」
「はい変わりません 枯れてしまうと使えないので次回分に取っておくこともできません。」
Q&Aで 一通り説明してもらい みんなで お礼を言う。
「ありがとうございます。」
受付のカウンターに町の周辺の地図が売っていた。
小さいサイズが 銅貨2枚 大きいサイズが銅貨5枚だ
小さいサイズを3枚 家の壁に貼るため 大きいサイズを1枚買った
準備OKと 入り口に向うと 突然!
「お姉ちゃん 俺の膝に座れよ。」 リンに絡んでくる若い奴がいた。
見ると 男5人組のパーティーだ。
おおっ 絡まれた!これは定番のルーキー冒険者への洗礼ですね。
少し年上の リーダーっぽい奴が「お前らが冒険者か ふざけるな!」と怒鳴る。
脅して ビビったところを笑うつもりだろう。
そうだよな 俺たちの見た目 絡まれやすいよな 抵抗できなそうだし
リコとリンが可愛いし その二人を弱そうな俺が連れてると・・
「いえっ 商人です 行商の時に薬草でも取ろうかなと・・・」
ごまかしてみるが
他の仲間が「じゃあ俺たちが護衛してやるよ」とリンとリコに手を伸ばす。
こうなっちゃうよな~~ どうやっても絡んでくるんだろう。
俺は覚悟を決めて リーダーらしき男に大きな声で怒鳴る。
「俺たちにかかわるな ぶっ飛ばすぞ!」
リーダーらしき男はブチ切れて 剣を抜こうと立ち上がる。
「キャーーー」リンの悲鳴が響き渡る。
男の下半身は丸出しだった 剣とズボンとパンツが消えていた。
リンの悲鳴を聞いて 多くの人がこちらを見て どよめく。
リーダーらしき男は 自分の下半身がフリーになってることに気が付き
急いで椅子に座る が、椅子は消えていた。
リーダーらしき男は 床に後頭部を打ちつけ 後ろ回りの途中のように
尻を高く上に向けた状態になってしまった。
こんな汚い光景は予想していなかった どうしよう?
仲間も唖然としている中 若い男が 「お前一体 何をしたー!」
と怒鳴ってきたが 「何をしたー!」 の部分は 下半身丸出しで
転移させられ 受付のカウンターに座り みんなに向って怒鳴っていた。
とんでもない事態になってしまった 早く立ち去ろう。
外に出るとリコが ふぅービックリしたねーと額の汗を拭う仕草をする。
「アデルの能力を見せちゃったけど大丈夫かな?」 と聞いてくる。
あいつらも見せちゃったから わけのわからない状態なんじゃないかな?
後ろを見るとリンが笑っている
笑いながら 「すみません 何か止まらなくて わははは!くっくくっ・・」
苦しそうだ しばらく待つと もう大丈夫ですと言った。
うん 行こう。
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