第48話
「安心して蹴りこんで来い。
オマエのローじゃ、オレの
脚はびくともしねえよ」
宋徳治がアジタに言い放った。
「くそ」
アジタが渾身のローを
宋徳治の脚に放った。
だが堪えたのはアジタのほうだった。
「クーっ」
アジタが苦悶の表嬢を浮かべた。
「なんだ、なんだその、弱っちい
ローは。ッそんなんじゃ爪楊枝も
折れんぞ」
宋徳治が仁王立ちした。
「宋徳治」
「なんだ」
「ひとつ教えてくれ」
「言ってみろ」
「どうやってそんなに強くなった」
「素質と才能かな」
「クソっ」
アジタがまた力任せにローキックを
放った。
「ここまでだ、坊や」
宋徳治がリングを降りた。
「このままいくらやっても
結果は同じだ」
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