第4話
「何の冗談です」
アジタはにべもなくオトコの名刺を
撥ねつけた。
「気を悪くされたのなら謝ります。ただ
これは冗談や質の悪いいたずらでないこと
だけはご理解ください」
男が帽子を取って謝った。
「世界はアナタを必要としている。そのことだけは
覚えておいてください」
男はそういうと帽子をかぶって
闇の中に消えて行った。
「ばかばかしい。誰がボクなんか
必要とするもんか」
アジタは捨て台詞を残すと
家路についた。
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