第11話
その後、食事を終え駅の南口から歩いて十分弱のところにあるホテルに入ると二人はそれぞれの部屋に入り、輝は照明をつけずにベッドに横たわった。久米の事を考えては、そうしてはならないと払拭するように身体を抱えこみ起き上がって、枕元の照明をつけスマートフォンを眺めてメールの確認をしていると、着信が鳴ったので電話に出ると久米から来ていた。
「寝ていましたか?」
「いや。まだ着替えていなかったよ」
「もう少し話がしたいです。そっちへ行っても良いですか?」
「……うん。いいよ」
爆発しそうだ。何かが崩れ落ちていくのを目の前で見届けているような気にもなっている。ドアをノックする音が聞こえ、そっと開けて見ると久米が心配そうな顔でこちらを見てきた。ドアを閉め、すかさず彼女を思いきり抱きかかえると、膝から崩れて床に足がついた。
「登坂さん。無理していませんか?」
「していない。むしろ君の事が抱きたくてたまらなかった。たった数ヶ月会えなかっただけなのに、どうして……どうしてだかこんなにも久米さんを求めていたんだ」
彼女の華奢で柔らかな肌を吸収したいと、次第に彼は身体が疼きだしていった。
「あなたには嘘がないようですね」
「え……?」
「身体が目的で近づいていくような男性とは違うって今わかったんです」
「ずっと……疑っていたの?」
「登坂さん、真面目だけど素直で私も好きですよ。自分が逃げるために相手を好きでいるのではなく、こうして正直に話をしてくれている。そういうところは嘘をつけないから良いんじゃないかって思うんです」
「俺は……素直に君に言っている?」
「はい。二人だけの内緒ごとって悪いことかもしれませんが……私達は純粋に求め合っているから罪ではないと言いたいくらいです」
「完全に、不貞の道へと入っているんだ。それでも俺についてきてくれるかい?」
久米はその言葉を塞ぐように唇を重ねてきた。何もかも柔らかい空間の中で二人だけの過ちをともにしている。それもわかっていて彼女の唇を交えながら舌を絡ませて、下唇を千切るように噛む彼女の口が愛おしい。両頬を包み込み、更にキスを重ねてその場で彼女の身体を床に倒すと、輝はネクタイとベルトを外し、彼女のストッキングを脱がせるとスカートの中を急ぎ早に弄っていった。
「あの……そんなに急がなくても……」
「ごめん。でも……」
「ベッドに行きましょう……」
「君も早くに濡れている。見て、指にこんなにもついているよ」
「私も……ここまで感じている。ずっとドキドキしている……」
ねっとりとした体液でぬれた手を頬に、あて彼の指先を一本一本咥えながら舐めだした。その後ベッドへ身を寄せ、お互いの服を脱ぎ合い輝は久米の足先からふくらはぎ、太ももを滑らせるように匂いを嗅ぎながら舐めていった。
「いや……くすぐったい」
彼女が悦んでいる。内ももから下半身へ触れていくと、彼女の下着を脱がせて柔毛で隠れている陰部を指でなぞると、淫声をあげてきた。
「凄い濡れている。このまま舐めてもいい?」
「はい……」
陰核から膣の周りを舌でなぞり、中へ押し込むように突いていくとその声は天井に向かって響いている。
「もっと……もっとして……」
――好きだ。彼女が好きだ。
弄るたびに自分の事を感じてくれている。顔を深く埋めていき、彼は彼女の脚を上げて支えながら愛撫していく。秒を刻むように舌で突いていき唇で陰部を奥まで包み込むと久米は涙を流していた。
「もう大丈夫……それ以上したら壊れそうよ……」
──愛したい、愛したい。いや、愛している。
体勢を変えて彼は彼女を四つん這いにし、垂れ下がる乳房を揉みこんで顔を向いては互いを確認するようにキスを重ねていく。硬くなった陰茎をゆっくりと膣に挿れて、しばらく身体を振って流体に走る回路を巡らせていき、ピリピリとした粒子が二人の体内に
彼女を正面に向かせて、彼の下半身の上に乗せると二人は微笑みながら抱き合い絡みついて数回のキスをする。
「唇が熱いね」
「肌も熱いよ。キス、好き?」
「うん。登坂さん、下唇が弾力があってずるい」
「ずるい?」
「普段気づかないけど、こういう時に魅せる男の人の唇とか……この肉厚な鼻がアソコと同じくらい厭らしい」
「それ……褒めてる?貶してる?」
「もちろん褒めている。もう……カタブツっぽいなぁ……」
「こうして抱いている時ほど、カタブツなんて言葉は忘れたい。君も綺麗で……離したくないカラダだ」
「ああっ……ずるい。卑怯よ、この手と指。……身体ごと、食べられたい……」
久米は首から鎖骨にかけて舌で舐めた後、仰向けになり、身体をくねらせては両脚を開いて、輝が滑り込むようにしがみつくと、イかせてという言葉に彼は更に情が燃えて、激しく身体をゆすっては彼女の肌にまとわりつくくらいに、その胸元に頭を埋めて最高潮に達していった。
振動が心地よく感じ、彼が腕を伸ばして抱き寄せると、しばらく二人は深い眠りについていった。深夜二時を回り、久米が起き上がろうとすると、輝は腕を掴んで朝までいて欲しいとすがってきた。下着を身につけて彼を抱きしめるように再び眠りにつき、六時になると、彼は先に目を覚まして彼女の寝顔を見ていた。
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