第3話アズハ側

「んで、コーなってこーなってこーなるんだ。わかるか?アリス」

「ふぁ~何のことですかぁ~すぴ~」

「起きろって言ってるんだぞ」

「すぴぃ~すぴぃ~」

「おーきーろー!」

「うぎゃー!なんですか!私が夢見てる間に!」

「こっちも一時間目の授業してる間なんですが?」

アリスが肩をくすめる。

「別にいーじゃないですかーすぴぃ~」

バチコーン!

「暴力だ!訴えていいよねこれって…」

クラスで笑いが起こる。

笑っていないのは…一人わたしだけ。

「あんたが寝てるのが悪いんだよ…」

言いたいことはたくさんある。

「ツバサ君とこっちは付き合ってんだよ…」

「調子乗んなよクズが…」

アリスに対して思ったことをすべて紙に書くのが私の習慣になっていた。


4/28ツバサ君に試してみようか?おアリスアズハ。どっちも人質に取られてたらどっちを助けるか。ま、結局私を選ぶだろうけど。


4/31恋バナなんてしてさ。アリスには水たまりが似合うね…今度水たまりにおとしてあげようか?


5/15どうした?ツバサ君に話しかけたそうで話しかけない。情けないね。そんなんじゃ、


かなわないよ?その恋。その手の中、ラブレターでしょ。

そう書こうとしたら、手が止まった。

なんで、なんで私は正直になれないのだろうか。

本当は、本当は、ノートの続きを書く


5/15アリス。私は、あなたとツバサ君。2人の恋の、応援団キューピットになります。


やっと正直になれた。ありがとう。でもなぜ、邪魔しようとしていたのだろうか。思い出せない。あ。そうだ。のせいだ。邪魔しろと言われて邪魔していたんだ。伝えよう。アリスにそのことを。

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