第206話 ライネルの花冠
「花茶、いつになったら主人さんの情報教えてくれるんだ?」
ライネルと花茶は魔蟲の森の東エリアにある花畑で2人はお花摘みをして遊んでいた。
「あっ! 花茶忘れてた! えーと、ライネルお兄ちゃんは主人様のどんな情報が欲しいんだっけ?」
「おい! 俺のケーキうまいうまいって食ってたのに忘れてたのかよ!」
「ケーキとっても美味しかったなぁ。イデアおじちゃんケーキ持ってきてくれないかな」
「イデア様をおじちゃん呼びできるって凄いな」
「花茶すごいの! えっへん! 花茶は凄いんだぞ!」
「あ、それでだな、俺は主人さんの好きな男の好みが知りたいんだ」
「主人様の好きな男の好み? 花茶は知らないな。お兄ちゃんに聞いてみようか?」
「いや、藍介さんに聞くのはまずい。花茶が直接、主人さんに聞いてみてくれないか」
「えー、それなら、ライネルお兄ちゃんが主人様に聞けばいいじゃん」
「ケーキ」
「分かったって! 花茶が主人様に好きな男の好み聞いてくるね!」
「よろしくな! そんじゃ、花は集まったから花冠作るか!」
「ライネルお兄ちゃん花冠作れるんだね。ライネルお兄ちゃんが花冠作れるって知った時、花茶とってもビックリしちゃった」
「まぁ、俺には妹がいるからな」
「そうなの! 妹ちゃんの名前なんて言うの!」
「妹はルナリーで、弟がラーガス、姉貴がリーリンドって言うんだ」
「えー!? お姉ちゃんと弟もいるの! 家族いっぱいいて楽しそうだね」
「そうか、毎日煩くて大変だったな。まぁ、俺は実家には戻れないし。そもそも、俺は魔王軍に入った理由は家を継ぎたくなくて家を出ちまったからな」
「家をつぐ? うーん、花茶には分かりませんな」
「えーと、俺の家は農家で、親父は姉貴がいるのに、長男である俺に所有している畑を渡して隠居しようとしてたんだよ。それが気に食わなくて、俺は実家を飛び出したんだ」
「花茶はよく分かんない!」
「花茶は分からねぇか。まぁ、めんどくせぇ話だから覚えなくていいぞ」
「お兄ちゃんに聞いてみる!」
「それが、一番手っ取り早いかもな!」
そう言いながらライネルは手際良く花冠を作っていた。
「ほらよ」
ライネルは作り終わった黄色い花で作った花冠を花茶の頭に被せてあげた。
「おー! お兄ちゃんより上手じゃないけど、花茶よりは上手だね!」
「そう言う時は普通に褒めろって!」
「ライネルお兄ちゃん! もっと花冠作って!」
「はいはい、なんで俺はこんなことしてるんだぁ」
「紅姫さんと黄結姫さん、それに菊姫さんと百合姫さん、蝋梅妃さんとアお姉ちゃんに花冠プレゼントしたいの!」
「ん? 白桜ちゃんにはあげないのか?」
「花茶、白桜嫌い。だって、花茶の事を馬鹿でアホだから近付いてこないで頂戴って言われたんだよ。そんなこと言われたら仲良くなんてしたくないもん」
「うわー、それはひでぇな」
「でしょ! 花茶は白桜と仲良くしたくて話しかけただけなのに、そんな事言ってくるんだよ! 花茶プンプンだよ!」
「魔人関係には合う合わないがあるからな、あっ虫だから虫関係か。ほら、2個目できたぜ」
ライネルは白い花の花冠を地面に置いた。
「これは、百合姫さんにあげようかな」
「沢山花冠作ってやるんだから、好みの男以外にも主人さんの情報書き出してくれよな」
「了解! 花茶主人様に沢山質問してくるね!」
「よろしく頼むな!」
ライネルは花茶が渡したい人数分の花冠を作り2人は仲良く家に帰ったのでした。
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