第199話 報酬の追加

 私はクティスに乗り家に着いた。すると、庭からイデアさんの声が聞こえたので、私は庭へ向かった。


 イデアさんは縁側に座り、子蜘蛛達は彼を囲って彼の話を楽しそうに聴いていた。


「イデアさん、子供達の面倒みてくれてありがとうね。みんなイデアさんのお話面白かったかしら?」


「主人様やっとイデアおじちゃんの話、面白くなってきたのにいい所で止めないでよ」


「えっ、そうだったの!? 青雷ごめんなさい。私、これからイデアおじちゃんとお話しないといけないから、話の続きは次回という事にしてくれないかしら」


「えー、ディアさんがどうなったのか気になる」


「青雷! 主人様を困らせるじゃないわよ!」


「ねぇちゃん痛いって殴らなくてもいいじゃないか」


「凪さんが私に話がある! さぁ、みなさん家に帰ってください! 私には凪さんとの大切な話し合いがあるのです」


「また、今度イデアおじちゃんに留守番お願いするからね」


「はーい」


 子蜘蛛達はそれぞれ巣へと帰って行った。


「それで、凪さん私に話したは何でしょうか? それに、クティスがやけに綺麗ですね」


「ガウルゥ(洗ってもらったよぉ)」


「凪さん、お願いです。クティスのお風呂当番お願いしたいです!」


「ちょっ、急にどうしたのよ」


「クティスは風呂嫌いでして、体を洗おうとすると暴れるのですよ。それはもう、死を覚悟するぐらい暴れるのです。なので、クティスを洗いたい時凪さんの力を貸してもらえませんか」


「そうなの? クティスとっても大人しくていい子だったわよ」


「ガウルゥ(頑張ったぁ)」


「まぁ、クティスを洗うの楽しいから別にいいわよ。それで、イデアさんには申し訳ないけど偽ダンジョンを作るのにいちいち家に帰るのが大変だから森に家を建てるんだけど、私のこの家を私がいない間管理して欲しいのだけどいいかしら? きちんと報酬は払うわ。だから、お願いできないかしら」


「はい! 凪さんのお願いとあれば何でも! でも、それは残り7日間は凪さんと会えないということになりますか?」


「そういうことになるわね」


「それは、寂しいです。折角の凪さんに会えたというのに全く仲良くできないなんてあんまりですよ」


「報酬は新しい通信機なんかどうですか」


「それも7日間待たないといけないのでしょ」


「今回のは改良版! いつでもどこでも通信できる機能を追加し、目覚まし機能、アイテムを少しだけ収容することのできるアイテムボックス機能も追加の腕時計を報酬としてプレゼントしちゃいます!」


「いつでもどこでも、それは毎日凪さんと連絡できると言う事ですか!!!」


「えぇ、他に友達に渡したいならもう一個だけプレゼント!」


「2つも!!! 凪さんが作り出す魔道具は今までに見たことのない魔法陣が使われていて、魔道具管理局の局長ドーレーラムさんが私から魔道具を奪おうとするのですよ。荷車も砂糖、当初はケーキを運ぶのに使うので一旦返してもらいましたが、帰った時にまた荷車を引き渡さないといけなくなってしまっているのですよ。なので、私以外には無闇矢鱈に魔道具をあげてはいけませんよ」


「そうなのね。私魔道具に付与される魔法陣がどう言うものか知らないから私が作る魔道具の価値なんて分からなかったわ」


「そうなのですね。報酬の腕時計は1つだけで十分なので、凪さんの家の管理をいたしますね」


「イデアさんありがとう! それと子供達のお守りの件も他にも報酬考えとくから楽しみにしといてね」


「はい! 楽しみにしています」


「ガウガ!(楽しみ!)」


「それじゃあ、私は森の方に戻るわね。イデアさん子供達と家のことよろしくね!」


「はい! お気をつけて」


「いってきまーす」


「いってらっしゃい」


 私はイデアさんと話をつけて森へ戻った。

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