第195話 みんなで寝ましょうか!
歓迎会の催し物は大成功だった。
蜘蛛&ムカデサーカス団は急遽、観客参加型に切り替えてみんなで楽しんだ。私は、蜘蛛糸で作られたトランポリンで遊んだわ。サーカスの他には灰土と緑癒の漫才。紫水とネルガルのサーフィンショー。など、みんなが思い思いにやりたい事をやり始めて一時はどうなるかと思ったけど、私は凄く楽しませてもらえたわ!
歓迎会が終わり、虫達は会場を片付けていた。
「凪さん、こんなに楽しい歓迎会初めて参加しましたよ」
上半身裸のイデアが私に話しかけてきた。
「イデアさん、服着てください」
「すみません、はしゃぎ過ぎてしまい服が破けてしまったのですよ」
「ガルグルウ!ガウガルガ!!!(凄く楽しかった!もっと遊びたい!!!)」
「クティスも凄く楽しかったとあともっと遊びたいみたいですね」
「あんなに動き回って疲れてないのね。あの花茶ですら、疲れ切って寝ちゃっているのに」
花茶は私が出した布団の上で爆睡していた。ライネルとネルガル、紫水も花茶の布団の上で彼等も爆睡していた。
「紫水があんなにはしゃぐ姿初めてみました。あの子が友達を作れるなんて私うれしすぎて、うぅ」
黄結姫は歓迎会の片付けをしながら、息子の姿を見て泣いていた。
「子供の成長は嬉しいですよね」
「はい!」
「紅姫さん、黄結姫さん何か手伝うことありますか?」
「それでしたら、緑癒さんには辺りの掃除してもらってもよろしいですか?」
「分かりました」
緑癒は地面に落ちているポップコーンを箒ではいていた。
そして、2時間ほどして歓迎会会場が布団で寝ている人たちを除いて、綺麗に片付けられていた。
「もう、だべれにゃむにゃむにゃ」
「うううぅ、それだけは‥‥‥。勘弁してく‥‥」
「ぐががぁあああああー!!! すぴーーーー」
ライネルのいびきうるさいわね。
藍介が食器洗いを済ませて花茶達が寝ている布団にやってきた。
「主人様、後片付けも殆ど終わりましたので、もう夜も遅いのでお休みになりますか?」
「私も疲れたから眠いけど、お風呂入りたいけど、花茶達をこのままにするのもどうかと思ってね」
「うーん、爆睡しているみたいなので起こしづらいですよね。そうだ! 主人様、ここで皆さんと寝てみるのもいいのではないですか」
「雑魚寝するってこと?」
「はい、布団をもっと敷き詰めれば、皆一緒に寝れますよ」
「それもいいわね! そうしようか。それじゃあ、布団出しておくから布団敷いてもらってもいい?」
「かしこまりました。お風呂の準備は終わってますのでゆっくり寛いで来てください」
「藍介ありがとう。じゃ! 後はよろしくね!」
「はい!」
「それでは、私も凪さんと一緒にお風呂に入りに」
「イデアさん、お客人には専用のお風呂場をご用意してあるのでそちらに入ってください」
「藍介さん、私は凪さんと一緒にお風呂に入りたいので、失礼しますね」
「ダメですって! 主人様に怒られますよ! 私でもまだ一緒にお風呂入ったことないのに、何で貴方が入ろうとしているんですか!!!」
「ガルルガ!(僕行ってくる!)」
藍介はイデアを止めるので精一杯でクティスまでは止められなかった。
私が家に入ろうとするとクティスが走ってきた。
「クティスどうしたの?」
「ガルウルガ!(僕も入りたい!)」
「うーん、私貴方が何言っているのが分からないのよね」
クティスは私の家に入りお風呂場に直行した。
「ガルウルガ!(僕も入りたい!)」
「どうして、お風呂場にいるの? あーそう言うことね。お風呂入りたいのね。仕方ないわね。私がお風呂入れてあげるわ」
「ガウガー!(やったー!)」
「それじゃあ、クティス綺麗に洗ってあげるわね」
「ガウ!(うん!)」
私は濡れてもいい服に着替え、クティスを洗ってあげる事にした。
クティスは考えていたのと違かったみたいで、尻尾がショボンと下に垂れていた。
「クティスを洗うの疲れたわね! よし! やっとお風呂タイム!!!」
私はゆっくりと1人でお風呂に浸かって今日の疲れを癒した。
私はお風呂から出ると、綺麗に洗ったクティスと一緒に外に出て花茶達の元に向かった。
「クティスが綺麗になっている!? 凪さん! クティスと一緒にお風呂に入ったのですか!!!!」
「私がクティスを洗ってあげたのよ。体が大きいと洗うの一苦労するわね」
「ガウガルゥ(お風呂入りたかったぁ)」
「おや? クティス、凪さんと一緒にお風呂に入った訳ではないのですか?」
「お風呂入ったわよ」
「ガルウガルガルゥ(凪は服着たままだったんだよぉ)」
「ぷっ。ぷっはぁぁあああっ!!!! ぷっ、ぷっ、はぁはぁ、クティス笑わせないでください」
「ガルゥ(くそぉ)」
「それじゃあ、みんな! いっぱい遊んで疲れたでしょ! 一緒に寝ましょう!」
「主人様と眠れるの!」
「オラ、主人様のお側がいいな」
「儂は広いところで眠りたいな」
「我は主人様の元で」
「あっ、ずるい! 百合姫ちゃん、早く行かないと蝋梅妃さんに主人様の側取られちゃうよ」
「そんなに引っ張るなって」
菊姫は百合姫の手を引っ張っていた。
私は花茶の隣で寝ようとしたら、クティスが私の服を引っ張った。
「ちょっと、引っ張らないでよ」
「ガウガウ!(一緒に寝よう!)」
「これは、クティスは私と一緒に寝たいの?」
「ガウ!(そう!)」
クティスは全力で尻尾を振っていた。
「それじゃあ、クティスのお腹拝借するわね」
体を丸めて眠る体制のクティスのお腹に体を埋めた。
「毛がふかふかしてるから気持ちいいわ」
「それでは、お隣失礼しますね」
イデアさんは私の頭の下に腕を入れて、私を抱きしめながら寝ようとしてきた。
「クティス。イデアさんに一撃お見舞いして」
「ガウ!(了解!)」
私はクティスから離れると、クティスはイデアの体目掛けで尻尾でイデアを攻撃した。
「クティっ!? 痛い、痛いですよ! やめてください!」
「クティスもういいわよ」
「凪さん、クティスのお腹で寝ようとしたのに、どうして私の腕枕は嫌なのですか」
「クティスとイデアさんは違うからよ」
「私とクティスは同一です!」
「同一だとしてもよ!」
クティスとイデアが喧嘩をし始めたので、私は花茶の隣で寝る事にした。
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