第194話 歓迎会 催し物 蜘蛛&ムカデサーカス団
私はリンゴジュースが入ったグラスを片手に挨拶を行い。みんなで乾杯した。
「それじゃあ! かんぱーい!」
「かんぱーい!!!」
グラスがチリンと当たる音が洞窟の中で鳴り響いた。
「凪さーん! 乾杯!」
「イデアさんこれからよろしくね」
その後、長達と乾杯して私達は歓迎会を楽しんでいた。
紅姫は蜘蛛達と一緒に出し物を披露するみたいで、立て看板には、蜘蛛&ムカデサーカス団と書かれていた。
「サーカス! 私一度も見た事ないのよね」
私は藍介が作ってくれたポップコーン片手に観覧席に座った。
「サーカスですか? それは何をやるのでしょうか?」
イデアさんもポップコーン片手に私の左の席に座った。右の席には、花茶と藍介がいた。
「色々な芸を披露してくれるのよ」
「楽しそうですね!」
紅姫は輪に火をつけて火の輪を蜘蛛達は果敢に通り抜けていた。
「おー!!! みんな凄いわよ!!! でも、熱くないのかしらね?」
「沢山特訓したみたいなので、大丈夫だと思いますよ」
私の隣にいる花茶の頭の上で藍介はサーカスを見ていた。
「藍介も演目考えてあげたんでしょ」
「演目を考えたのは紅姫さんなんですよ。私はサーカスがどんな芸を披露するかを話しただけなんです。まさか、全部やるなんて思いもしませんでしたよ」
「まぁ、楽しいからいいじゃない!」
「所で、主人様のリクエストで作ったポップコーンの味はいかかでしょうか?」
「塩っけがいい感じにきいてて最高よ!」
「それは良かったです」
「ガウガグル!(僕も火の輪っかくぐってくる!)」
クティスは火の輪くぐりをしている蜘蛛達の後ろに並んだ。
「あっ、ちょっ、クティス。凪さん! すみません」
「クティス走っていっちゃったけど、もしかして、火の輪くぐりしたかったの?」
「はい、クティスが勝手に行動してしまい、申し訳ございません」
クティスの順番が来て、クティスは火の輪をくぐった。
「貴方達の歓迎会なんだから、謝らなくていいわ。それに、クティス火の輪くぐり上手ね!」
「凪さん。それでは、お言葉に甘えて私も参加してきます!」
イデアさんは上着を脱ぎ捨て、クティスの後ろに並んだ。
「えっ、まぁ、楽しんでもらえるならいいか」
「主人様! 主人様! 花茶も火の輪くぐりやってみたい!」
「花茶! 危ないのでダメです!」
「えー! 危なくないよ。お兄ちゃん」
「ダメなものはダメです」
「主人様! 花茶火の輪くぐりたいー!」
藍介は私に向けて両手をクロスした。
「お兄ちゃんが心配しちゃうからダメみたいよ」
「そんなぁ」
「なら、俺が火の輪くぐってきてやるよ!」
ライネルが火の輪くぐりをしようとしているイデアの後ろに並びに行った。
紫水とネルガルは一緒にサーカスを見ていた。
「ネルガル〜、ネルガルは〜、火の輪くぐらないの〜?」
「俺はあんな熱い火の中に入りたくないからな。俺はやらないぞ!」
「やらないの〜?」
紫水はネルガルの太ももに自身の顔を乗せてネルガルを見つめていた。
「やらない」
「ネルガルが〜、火の輪くぐる姿〜、俺は見たいな〜」
「いや、お前、絶対に俺の事を馬鹿にするだろ!」
「そんな〜、俺が〜、いつ〜、ネルガルを馬鹿にしたんだよ〜。ネルガルひどいな〜、俺そんな事しないのに〜」
「いつもしてるじゃないか! 俺は絶対に火の輪くぐりなんてしない!!!」
「ちぇっ〜。面白そうだったのにな〜」
森の長達はサーカスを楽しんでいたが、困惑もしていた。
「なぁ、どうして、蜘蛛達は火の輪をくぐってるんだ?」
「どうして何でしょう? 私には分からないわ」
百合姫と菊姫と蝋梅妃は3人で仲良くサーカスを観ていた。
「よく分からないが、我は結構、楽しんでおるぞ」
「オラ! 火の輪くぐりしてくる!」
「金色丸の体の大きさじゃ日に当た‥‥。行ってしまったな」
紅姫は会場の裏で次の演目であるムカデ達の空中ブランコの準備をしていた。そして、同じくムカデ達の準備を手伝っていた黄結姫はこっそり火の輪くぐりを観ていた。
「紅姫さん! 紅姫さん! 火の輪くぐり好評だったみたいで、観客の方達が火の輪くぐり参加しちゃってます!」
「何ですって! 黄結姫さんそれは本当なの!」
「そう言うなら見てください」
紅姫は黄結姫の言った事を確認した。
「あらまぁ。でも、楽しんでくれているならいいのかしらね?」
「主人様も楽しんでいますし、大丈夫じゃないかしら?」
「そんな事よりも、次の演目の準備終わらせましょう!」
そして、ムカデ達の空中ブランコも最高に終わり、ムカデの曲芸、蜘蛛の綱渡り、蜘蛛糸で作ったトランポリンは観客が参加して大いに盛り上がったのであった。
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