第193話 歓迎会 準備
森の長達プラス魔王軍のイデアさん、ネルガル、ライネルの歓迎会が開催することになった。
魔蟲の洞窟4層目の湖の辺りでは、洞窟の長達が歓迎会の準備をしていた。もちろん、私も準備を手伝っているわよ。基本的に料理担当の藍介、飾り付け担当の紅姫が主に指揮しているわね。
「イデアさんの話だとお昼過ぎに来るみたいよ」
「そうなのですね。皆さん! 最後の仕上げ頑張りますよ!」
「花茶、お花出すの疲れたぁ」
花茶にはアーチを飾りの花を準備してもらっていた。
「花茶、お疲れさん。ほら、リンゴ持ってきたぜ」
「やったー! リンゴだぁ! ありがとうライネルお兄ちゃん! それじゃあ、いただきまーす!」
花茶はライネルにリンゴを貰うとシャクシャク食べ始めた。
「料理はこれでいいですね。緑癒さん慎重に皿を持っていってくださいね」
「分かってますよ。さぁ、ネルガル、紫水もサーフィンばっかりしてないでお手伝いお願いしますよ!」
「はぁ〜い」
「俺の歓迎会なんだよな? どうして、俺が手伝わなきゃいけないんだよ」
「ネルガルとライネルはついでだからね〜」
「ついでって言うな!」
黄結姫には、洞窟の外で森にいる長達とイデアさんをお出迎えをお願いした。
『主人様、イデアさんとクティスさんが来ましたよ』
『了解! 案外早かったわね。そうそう、黄結姫洞窟案内1人で出来る? 誰か送ろうか?』
『私に任せてください!一本道を歩くだけですから大丈夫です!』
「ねぇ、紫水、黄結姫がこう言ってるけど任せて本当に大丈夫かな?」
紫水は皿を水の上に乗せて器用に料理を運んでいた。
「う〜ん。心配だな〜。そうだ〜! 白桜ちゃんと青雷君〜、暇そうにしてたから〜、母さんの手伝いをお願いしてみようよ〜」
「それもそうね。白桜! 青雷! 黄結姫の元に行ってお客様をここまで案内して頂戴」
「はーい!」
「イデアおじちゃんに会えるの! やったー!」
白桜と青雷は黄結姫の元へ向かった。
「ちょっとお昼過ぎじゃ無くなったけど、あと1時間ちょいでお客様来るから最後の仕上げ頑張るわよ!」
「おー!」
そして、1時間後イデアさんと森の長達がボロボロの状態で歓迎会の会場に到着した。
「えっ!? どうしてみんなボロボロなのよ!」
「主人様ー!!! 黄結姫さん急に転んで僕達巻き込まれたんだよ!」
「あたし、死ぬかと思ったわ!」
「ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい」
黄結姫はごめんなさいマシーンになっていた。
「黄結姫さんはドジなんじゃな。我はわざわざ洞窟に入り口前に行かなくても良かったのに、とんだ災難だったのじゃ」
黄結姫は蝋梅妃に頭を下げていた。
「ごめんなさい」
「オラ! あんな盛大に転ぶ人初めて見た!」
黄結姫は金色丸にも謝っていた。
「ごめんなさい」
「まぁまぁ、黄結姫さん十分謝ってもらったかもう大丈夫じゃよ」
銀次にも謝り。
「ごめんなさい」
「笑いすぎてお腹痛すぎるわ!!!」
「百合姫、流石に笑い過ぎじゃない?」
菊姫、百合姫にも謝った。
「ごめんなさい」
「凪さん!!! はぁぁーあああ!!! 凪さん!!! 貴方のイデアです!!!」
「ガウガ!(クティスだよ!)」
黄結姫がイデアとクティスに謝ろうとしていたら、2人は私の元へ駆け寄っていた。
「ごめんな、っていない!?」
クティスは荷車を引いていた。そう、やっと砂糖が到着したのよ!
「クティス、砂糖運んできてくれてありがとうね。紅姫! 砂糖きたから荷車から降ろしてくれない?」
私はクティスの頭を撫で、クティスの尻尾はブンブンと振りながら大喜びしていた。
「力持ちの方、砂糖を運び出しますよ」
「はーい」
紅姫は力持ちの蜘蛛達と一緒に砂糖を荷車から降ろし始めた。
「凪さん。私にも撫でてください」
イデアはクティスの隣で頭を下げて、撫で撫で待ちをしていた。
「はいはい」
私は左手でクティスの頭を撫で、右手でイデアさんの頭を撫でた。
「凪さんは撫でるのがお上手なんですね」
「そりゃあ、撫でて欲しいって甘えてくる子が多いんで、撫で撫で力が上がりますよ」
「そうです。凪さん、砂糖と一緒にケーキも沢山持ってきましたので、皆さんで食べてください」
イデアさんは荷車から大きな箱を取り出した。箱の中はケーキがぎっしり詰まったいた。
「ケーキだ!」
私は久しぶりのケーキを見て嬉しくなった。
「凪さんがそんなに喜んでくれるとは。エーデルには特別手当をだすしかないですね」
「主人様、ケーキって何?」
花茶が食べ物に釣られてやってきた。
「とっても甘いお菓子よ」
「お菓子!!! 花茶食べたい!」
「あっ、イデア様、おはようございます」
「おはようございます。ライネル君、君は虫達と仲良くなれたのですね」
「えぇ、まぁ、花茶とはいつも一緒に遊んでますね」
イデアはライネルの方に腕をかけ、小声でライネルに話した。
「凪さんの情報はきちんと入手したのですよね。私のメイド達よりも有力な情報がなかった場合。どうなるか分かりますよね」
「そ、そ、そりゃあ! 主人さんの情報を入手しているに決まってるんじゃないですか」
「それを聞けて安心しました。ネルガル君もサーフィンで遊んでばかりでは無いですよね」
「いや、あいつの事は俺は知りませんから、直接聞いてみたらいいんじゃないですか」
「それも、そうですね」
イデアはネルガルを探し始めた。
「ライネルお兄ちゃん暑いの? 汗凄いよ」
「花茶、お願いがあるんだけどいいか」
「ん? どうしたの?」
「俺に主人さんの情報なんでもいいから教えてくれ!!!」
「主人様の情報? どうして主人様の情報が欲しいの?」
「それはだな」
ライネルはイデアからの特別任務の内容を花茶に伝えた。
「ライネルお兄ちゃん。お墓にはどんなお花飾って欲しい? それとも、花茶がライネルお兄ちゃんを食べてあげようか?」
「なんで、死ぬのが確定してるんだよ!!!」
「えー、だって、主人様とライネルお兄ちゃんだったら、主人様のほうが花茶にとって大切だから!」
「そこを何とか頼む!!!」
「どうしようかなー」
「なぁ、花茶、ケーキ食べた事ないだろ」
「うん、ケーキ食べるの楽しみ!」
「俺の分やるから主人さんの情報くれないか」
「えー、ケーキ食べて美味しかったら、考えてあげてもいいよ」
ライネルは花茶と交渉している間。ネルガルは必死にイデアから逃げていた。
「やべぇ、やべぇって、サーフィンばっかりやってイデア様の任務忘れてた。見つかったら、俺は本当に死んだことにされちまう。こうなったら、紫水に凪さんの情報を聞き出すしか。待てよ。紫水が俺に凪さんの情報話してくれるのか。あいつの事だから面白がって何も言わなそうだな。うーん。ネルガルの〜、自業自得じゃん〜。可哀想だから〜、お墓の前に〜、サーフボード供えとくね〜。ってあいつは絶対言う」
「ネルガル〜? 急にコソコソ隠れてどうしたの〜? もうそろそろ歓迎会始まるよ〜」
「うわぁ!!!!!! って紫水か。驚かせるなよな!」
「ネルガル驚きすぎだよ〜。何かあったの〜?」
ネルガルは紫水に馬鹿にされる事を知りながらも紫水に頼る事にした。
「なぁ、紫水。お願いだ。凪さんの情報なんでもいいから教えてくれ!!!」
「どうして〜?」
ネルガルはイデアの特別任務を紫水に説明した。
「ネルガルの自業自得じゃん〜。お墓にお供物欲しい〜? そうだな〜、サーフボード供えてあげるよ〜」
「マジかよ。俺が考えてた通りじゃねぇか!!! そこを何とか頼む。俺はまだ死にたくない!!!」
ネルガルが紫水に懇願していると、とうとう、ネルガルはイデアに見つかってしまい。
ネルガルは正直に話し、ネルガルの頭には見事な大きなたんこぶができていた。
そんなネルガルを見て、紫水は腹を抱えて笑っていた。
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