第7話リリアーナ絶対に許さない!

私は長ゴキブリさんが話す自己紹介を延々と聞いていた


長い、この話も長い

全身を使って私に話をわかりやすくしてくれてるのはいいけど、他虫達も自分たちで話したいとは思わないのかな?


私は周りを見渡した

ムカデ2匹は触覚を動かし私を見つめ

蜘蛛さんも8つの目で私をみていた

蚕は空を飛びキラキラと鱗粉を振り撒き

巨大なゴキブリは足をジタバタしながら2本足で立つゴキブリの話を楽しそうに聞いているようだった


もうその辺にしてもらおう

長ゴキブリさんは話し始めると止まらないタイプなのね

話しかけるのちょっと面倒ね。

でも、一番賢いって言っているし、めっちゃ自分できます!できるゴキブリです!アピールしてくるし、悪いゴキブリではない事はわかったから次は洞窟の主人の権限がなんなのか教えてもらおう。

これのせいで私帰れなくなった訳だし、チート級の能力じゃなかったらリリアーナ絶対許さん!


私は急に黙った長ゴキブリに話した


「あの、長ゴキブリさんちょっといいかしら」


「はい!どうしましたか?主人様!」


「リリアーナの復讐方法は後でいいから洞窟の権限を使って何ができるのか知りたいんだけど」


「それはですね!」


長ゴキブリさんは本を取り出し

調べてくれた


「主人様、ご自身のステータスを確認する事はできますか?」


「私はここに来てまだ3日目よ、ステータスの確認の仕方なんでわからないわ」


ステータス確認とか、やっとゲームみたいな展開になったわね!

ずっと、ゴキブリと話してるだけだったからこれは楽しみね!


「それなら、主人様頭の中でステータスと唱えてみて下さい」


「わかったわ」


『ステータス』


頭の中で唱えてみたら私の目の前に透明なスクリーンが現れた

これぞ!異世界!

私のステータスが載せられていた


清元凪 女性 種族:人間精霊 レベル1

HP10 MP♾️

特殊固有スキル:愛される者

称号:魔蟲の洞窟の主人

取得スキル:思念伝達、魔石生成、想像生成


魔蟲の洞窟 ダンジョン評価:Z


HP10って低すぎない?それって、転んだら即死するぐらいじゃない!低すぎよ!MPは♾️よね?このマーク無限って事でしょ?それなら、MPはチート性能ってことね!

あれ?筋力とか知識、器用とかの基本的なステータスは出ないのね?

特殊固有スキルは何も説明書いてないし、ダンジョン評価?

あの、Zって事は最低評価?なのかな?

アルファベットってZって最後でしょ?えっ?

とても強そうな蜘蛛さん、ムカデさんがいるのにZ?まじ?

私は自身のステータスよりもダンジョン評価が気になって仕方なかった。


「主人様、ステータスの方は確認されましたか?」


「えぇ、スキルやダンジョン評価っていうのがみれたわ」


「すみませんが、ダンジョン評価を教えてもらってよろしいですか?評価によって権限がどのぐらいあるのかがわかりますので」


「Zよ」


「Z?ちょっとお待ちを」


長ゴキブリは違う本を取り出した


「もう一度聴きます。評価は?」


「Zよ」


彼は本をそっと閉め


「主人様が使える権限は、知能の高い配下としか対話することができるという、ダンジョンで暮らすための必要性最低限の能力しか今は使えないみたいですね」


私は両手を地面につき、また絶望した

嘘よ、私が精霊から戻らない理由は権限のせいって言われたからそれだけ強い能力なのねって思ってた‥。

それが、対話できるだけの効力しかないって

そんなの嘘よ!めっちゃ強いモンスター召喚とかできないの?


「長ゴキブリさんリリアーナがいたここの評価ってわかる?」


「えぇ、ダンジョン評価は最高のAを獲得してました。その、評価基準は全て精霊達によるものだったみたいですね」


よし!決めた!リリアーナ絶対ぶっ飛ばす!


「よし!クヨクヨしてても悪いわ!長ゴキブリさん!この評価を上げる為には何をすればいいの?」


「えっと、ダンジョンクエストをクリアすると評価が上がるみたいですね」


「それの見方ってわかる?」


「クエスト取得っと頭の中で唱えたら多分ステータスと同じで現れると思います」


『クエスト取得』


ステータス表示と同じ透明なスクリーンが現れた


ダンジョン評価:Y取得条件

各層の長と仲良くなること


「仲良くってどうすればいいのよ!仲良くって何基準ですか?わからないのですが!具体的に表してよ!あと、各層の長って何匹なのよ!流石にそこは表示してよ!」


私はそのざっくりした取得条件に突っ込んでしまった


「主人様!大丈夫ですか?」


長ゴキブリは両手をオロオロさせ私を心配しているようだった

長ゴキブリって言いにくいわね。

この子達に名前でもつけてあげようかな?


「ねぇ、仲良くなるってどうすればいいと思う?」


「えっ、仲良くですか」


なんだろう、長ゴキブリさん少し照れているようなってなんで私ゴキブリの感情読み取れるのよ!


「よし!決めたわ!みんな!私の話を聞いて頂戴!」


虫達は私を見つめた

蚕さんは飛ぶのをやめ、何故か大きいムカデの背に乗っていた


「私はこれからこのダンジョンの評価を上げることにします!そして、貴方達を捨てたあの女リリアーナに復讐します!その為には、貴方達の協力が不可欠なので、私と仲良くなってください」

私は虫達に頭を下げた

虫達は一斉に私に思念を送ってきた


「ソンナ、アタマ、サゲナイデ、クダサイ、アルジサマ」


「アルジサマガ、ワタシト、ナカヨク、ウレシイ」


「コチラコソ、ヨロシクオネガイシマス」


「ふぁ〜、よろしく」


「主人様と仲良くなれるなんて、お兄ちゃん嬉しいね」


「主人様‥あぁ△×△×□△□」


一斉に思念が送られた為、頭痛がしたけど虫達は私に好意的なんだと確認することができた

よし!クエストクリアして評価ドンドンあげていって私を地獄に突き落としたあの女を絶対に許さないんだから!

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る