エピローグ


 夕食を済ませて二人で洗い物を片付けたあと、リビングでマイホーム手帳に今月の貯金分を記入していると、ある違和感に気付いた……ってあれ?ページを遡って4ヶ月前を確認する……間違いない……うわぁやっちゃったぁ


「ダーリン……」


 同じくリビングで寛ぎながら嬉しそうに第3のビールを、晩酌専用コップに注いでいる愛する夫に声をかける。


「ダーリン?……なんだよハニー」


「ゴメンナサイ」


「初手謝罪ってなにやったの?」


 愛する夫は晩酌専用コップをテーブルに戻しながら怪訝な顔をする。


「私達はマイホームを建てるために貯金をしています」


「そうだな、今更どうした?」


「その為にあなたは晩酌のビールを第3のビールに変えて、本数も1日3本だったのを2本に減らしてくれました。ありがとう愛してる」


「え?ホントにどうした?怖いんですけど……」


「マイホームを建てるための貯金です、貯金は手段であって目的ではありません」


主人の前にマイホーム手帳を広げる。


「こちらをご覧ください」


「どれどれ……うーん分からん」


「これが目標額でこれが現在の貯金額」


「え、これって……やった……やったじゃん」


「そうです、目標額に届いてるのです」


「え?それでなんでゴメンナサイ?」


「日付をご覧ください」


「日付?……あっ!」


「実は4ヶ月前には届いてました。テヘペロ」


 とっくに届いてたのに増える貯金額に有頂天になって、目標達成に気付かないって私はバカなの?


「オーマーエーハー」


「痛い痛い、梅干しやめてー」


すぐ離してくれて頭を撫でてくれる……


「でもやったな!よく頑張ってくれた!」


「やめてよ、私だけじゃないふたりで頑張ったんだよ?」


 褒められて嬉しいけど、これに関してはそうじゃない!


「だな!頑張ったな俺達!」


 愛しの旦那さまが抱きついてくる……そのままゆっくりと押し倒される……もう……





 「マイホーム費用オーバーラン事件」の2年後、私達の夢のマイホームが遂に完成したのよ!

 貯金してるときのほうが夢があって楽だったまである2年間だったわ……でもそれは別の話ね。


 これを私1人でやってたらストレスで胃と精神がやられてたんじゃないかと思うの。伸吾のときだとその可能性が大だったから……考えたくないわ。


「感無量だな……」


「そうね……終わったのね」


「違うぞ?こっからまた始まるんだろ。なぁー?」


 私の膨らんだお腹を優しく撫でてくれる。これがこの人の最近の癖になってる、事あるごとに私のお腹を優しく撫でる。気持ちいいし気が引き締まるんだって……


「そうね……これからもよろしくね?あなた」


「ああ、3人で頑張ろう」


「ええ、あるがままに」






◇◆◇◆



お読みいただきありがとうございます。


これにて拙作

「マイホームを夢見ていた主婦が旦那に裏切られて幼馴染と夢をかなえる話」

は完結となります。


コンクール出品作品ですので結果が出ましたら、近況ノート等でお知らせすると思います。しばらくお待ち下さい。


最後までお読みいただきありがとうございました!




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マイホームを夢見ていた主婦が旦那に裏切られて幼馴染と夢をかなえる話 ごっつぁんゴール @toy1973

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