第11話 復讐の準備 1


 誠から復讐することを提案されてそれに乗ることにした私は、誠の友人の弁護士に相談することになった。


「はじめまして、結城の友人の本山です。東さんの担当をさせていただきます」


「よろしくお願いします」


 そこからの話は難しくてイマイチ理解してなかったんだけど、同席してくれた誠が概ね理解してくれて解説してくれた。

 というかあの話を理解できるのね、誠ったら成長しちゃって……ちょっと頼もしいわね。


「証拠集めは興信所に頼むので良いな?」


「うん、出費は心が痛いけど、ここは出しどころだと思うから頼むわよ」


「結果が出るまであいつと普通に生活できるか?」


「そこは頑張れる……かしら」


エッチさえ躱せたらあとはどうとでもなるかな?


「給料明細の件は1回カマかけてみろよ」


「まあ誤魔化すでしょうねー」


「だろうな……それと生命保険の証書とかはコピーとっとけよ?」


「旦那の源泉徴収票?はよく分からないけど……」


「お前働いたことないもんな……」


 うるさいわね……伸吾がパートするなって言うんだもん。


「とりあえずこんな所?」


「かな?あとは調査報告が来てから、もう一回本山と相談することになるだろ」


「別居しててもお金貰えるのは助かるわ。興信所の結果出たらソッコー別居する!」


「「婚姻費用分担」な?あれは俺も知らなかった」


「実家に戻っても貰えるのはホントにありがたいわ」


 私知らないことが多すぎよね、世間知らずってやつ?もっと知る努力しなくちゃ。とりあえず帰ったら浮気の慰謝料関係をスマホで調べてみましょう。興味のあることから勉強していけばいいでしょ。わかんないことは誠に教えてもらえばいいし……


「今日はありがとね誠、あんたが居なかったらと思うとゾッとするわ」


「フン、乗り掛かった舟だ最後まで付き合うよ」


「あの時も……自暴自棄になったとき諭してくれてうれしかった」


「バーカあんな色仕掛けにもなっていないものに誰が乗るかよ」


 なんですって?傷心の人妻なんて垂涎もののシチュエーションでしょうが!


「失礼ね?あのときはあんなに情熱的に口説いたくせに」


「口説いてねぇーよ!なに人聞きの悪いこと言ってんだ!」


 え?あれ口説いてないの?危なくその気になるとこだったのに。そうなんだ……


「ま……まあ?私が本気出したらあんなもんじゃないし?あんた前かがみ必至だし!」


「えーなんで対抗意識持ってんの?意味わかんね〜」






 帰宅後、スマホで「旦那の浮気」とかで検索したんだけど……出るわ出るわ事例、質問、体験談。みんな同じようなお悩みを抱えてるのね〜

 夢中になって読んでたら気付いたときには夕方になってた、まあ今日は夕飯要らないって言ってたから、有り合わせで作りましょうかね。

 今頃あいつは第2口座のお金であの娘と美味しいもの食べてるんでしょうね……

 なんか悔しいわね……ちょっとひとっ走り高い食材買ってこようかしら。


 これから興信所の報告が来るまで少し時間がいる、その間にもうちょっと勉強して伸吾がどんな目に遭うかシミレーションしてみようっと。


 見てなさいよ、絶対にギャフンと言わせてやるんだから!





◇◆◇◆


お読みいただきありがとうございます。



真希さんがちょっと勉強に目覚めました。

動機はどうあれ、勉強っていつからでも始められるものだから早いも遅いも無いですよね!私もこの歳から小説みたいなもの?始めましたし。



次回も読んでいただけると嬉しいです。





  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る