第5話 幼馴染みとの再会 2


 みどりと待ち合わせをして、一旦帰宅したけどなんだか落ち着かない……


 旦那が浮気したかもしれない……少なくても私に黙って有給を取り他の女と会っていた。それはみどりの写真を見るにほぼ間違いないと思う。

 浮気の真偽の程は、これからみどりと上手く話が転べば誠も使って調べないといけないけどね。


 誠……幼馴染みで私の初恋の人、結局幼馴染みとしてしか付き合えなかった人。

 お互いに多分意識はしてたように思う、でも幼馴染みとしての関係まで壊してしまうのが怖くて、ずっと一歩が踏み出せなかった。

 そして最終的に誠の紹介で知り合った伸吾と一緒になった。その時にもう想いを残さないために、二度と会わないと決めたんだけど……


「こんな事になったんだからあいつにたよ……いえあいつを使うしかないわよね」


 伸吾が私に黙って有給を取るなら、会社内にそのことを教えてくれる人がどうしても欲しい。

 見返りにみどりを紹介してあげるからお願いだから私に使われてね?


 その際に伸吾にバレずに追跡出来る暇人が欲しい。

みどり、言質は取ってるからいっぱい手伝ってね?


 そして伸吾?お願いだから私を信じさせてね……





 みどりと再合流して喫茶店でアフタヌーンティーを嗜んでいると、誠からメッセージが来た。


『今日は定時であがれる』


『分かったわ、誠の会社の近くは不味いわよね?』


『そうだな。出来れば、てか絶対やめてくれ。主任の奥さんと密会とか噂されたくねぇ』


そんなのこちらも御免だわ……


『了解、あんたマンション引っ越してないわよね?』


『ああ、てかウチじゃねえよな?ぜってぇ嫌だぞ?』


『当たり前でしょ!私だって嫌よ!会社とあんたん家との中間地点の駅で待ってるから終わったらもう一回連絡を頂戴』


『分かった18時頃になると思うから待ってろ』


『はいはい。あっ!晩御飯奢ってね!』


『はぁ?なんでだよ?』


『女の子に出させる気?正気?』


『まあいいや……終わったら連絡する』




 よし、晩御飯ゲット!ってこんな時まで節約魂出してどうするのよ……


「誠、定時で帰れるんだって」


「そう、ならもう少し待てば良いのね?」


「そうだけど……また気合い入れてきたわね?」


「そう?ナチュラルに決めてきたつもりだったんだけど……」


 この子はホントに綺麗ね……黙ってるか普通の感性してたらとっくに結婚してるだろうに……


「だから気合が入ってるのが分かるのよ……あんた外見は良いんだし、それを自分で理解してるから短期戦には強いもんね……」


「失礼ね?中身も良いわよ!」


「あははは、ウケる」


「ホントに失礼ね!」


 ホントに誠を落とす気みたいね、あのこと聞いてみようかしら?


「そう言えばみどり?昼間に言ったことってホント?」


「なにが?」


「伸吾と誠の会社の給与が良いとか言ってたじゃない?あれってホント?」


「なに言ってんの?真希の方が知ってるでしょ?奥さんなんだし……」


「私が知ってる伸吾の給料はそんなに多くないわよ?」


「幾らよ?」


小声でみどりに耳打ちする……


「はぁ?少なすぎるわよ!その1.5倍から2倍は貰ってるはずだもの!」


「はぁ?そんなの嘘だぁ!そんなに貰ってたら私もっと楽できてる筈だもの!」


1.5倍に……2倍?そんなはずない……ウソだ……


「どおりで真希ががめついはずよ……その額で生活してるなんて……てか給与明細とか貰ってないの?」


「……経費削減で印刷するなら有料だって言うから」


「そこら辺も誠さんに聞くべきね……」



なにこれ……いろいろ……なにこれ……



 スマホに着信の通知が付いたけどしばらく出ることができなかった。







◇◆◇◆


お読みいただきありがとうございます。


また疑惑が出てきましたね。

てか今回の疑惑が1番心に来てるっぽいのが、なんとも真希さんらしい気がしますね。



次回も読んでいただけると嬉しいです。






  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る