第3話 タレコミ 3


「なんか女の人と一緒にいたわよ?」


「先にそれを言いなさいよ!」


 なに、この子はアホなの?そんな大事なことを思い出したように言うなんて……


「いやだってなんか真希怖かったし、その後は誠さん?を紹介してくれるってのでテンション上がったし?」


 誰が怖かったですって?それに誠の評価がえらい高いわね……


「なんか会ってもないのに誠の評価高いけど、そんなにいい男でもないわよ?期待しちゃだめよ?てか、そんなことよりさっきの話よ!なに?女と一緒にいたの?」 


「何言ってるの?伸吾くんと同じ会社ってだけで、確実に同世代より収入良いし将来有望のいい男なのよ?アンダースタン?」


 え?どういう事?伸吾そんなに稼ぎ良くないわよ?やりくり大変なんだから!ってだから、


「その話も気になるけど、今は伸吾と一緒に居たとかいう女の話よ!さあ洗いざらい吐きなさい!吐けー!」


 みどりの両肩をつかんで前後に揺さぶってやったらガックンガックン首が揺れて見てるだけで酔いそう。


「洗いざらいもなにも写真撮ってるからー!それ見てよー!だから離してー」


「それなら今回の伸吾関係の写真全部送りなさい!」


「イエス・マム!!」


 送られてきた写真を一通り確認する。伸吾の斜め前から撮った写真が主で、向かいに座っているミディアムヘアの女の顔がまったく見えない。

 てか最初っから女も写ってる写真見せなさいよ。この子は絶対に狙ってやったわよね?

 結構近くから撮ってるのに気付くこともなく、ヘラヘラ正面の女に笑いかけてる伸吾にもイライラする。


「女の顔が全然見えないじゃない」


「そりゃあその子の顔撮ろうと思ったら店内に入んなきゃだし……」


「入りなさいよ気が利かないわね」


「入ったらさすがに気付かれちゃうから」


「だから?気付かれずにそれくらいやりなさいよ!」


「無茶言わないでよ……」


 気が利かない、それくらいのこと出来ないかしら?出来ないわね……イライラしすぎてる。反省反省……


「悪かったわよ……女の顔は見たの?」


「それは見たわよ、でもさすがに写真は撮れなかったからゴメンネ?」


「仕方ないわよ、それで?どんな感じの女だった?」


「なんか可愛い感じの子だった」


 へ〜そういう可愛いタイプの子は苦手って言ってたのに……へ〜そう?信じらんない……


「それでそれで、とうする気?」


 なんでこの子はこんなに楽しそうなの?いわゆるゴシップを楽しんでる感じ?


「どうするもなにも情報がなさ過ぎるから……」


「え〜すぐに修羅場らないの〜」


「なにつまらなそうにしてんの?修羅場期待してたんかい!」


やっぱりか!やっぱりこいつ楽しんでるよね?


「あんまりつまらないこと言ってたら誠に会わさないわよ?」


「わ〜うそうそ!なにも期待してないから〜」


「嘘おっしゃい!」


「ホントだって〜、何ならいろいろ手伝うよ〜」


 よし、言質取った!みどりは男いないときは暇してるからいろいろ使えるわ。


「じゃあ許してあげるからいろいろ手伝ってね♪」



かわいくウインクしてお願いした。









◇◆◇◆



お読みいただきありがとうございます。


真希さんは手駒1を手に入れました。

旦那の疑惑が渋滞起こしてます……


次回も読んでいただけると嬉しいです。




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作者の初の連載作品。

ラブコメさんが行方不明になったラブコメです。


https://kakuyomu.jp/works/16817330664277862919


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