第2話 タレコミ 2


 スマホに写っていたのは間違いなく私の旦那であるあずま 伸吾しんごだった、


「旦那にそっくりね?」


 私はそう言って強がったけど、みどりはここぞとばかりに勢い込んで、


「そっくりどころか、そのものズバリ伸吾くんじゃない!なに現実から逃げてんのよ?」


「だって会社に行ったもの。それなら今からメッセで確認するわよ!」


私が旦那にメッセージで確認しようとすると、


「メッセージなんて誤魔化されて警戒させるだけよ?」


「じゃあどうしろって言うのよ!」


「会社に電話しなさい」


何言ってるのこの子は……


「それも後々旦那に話が行って、結局警戒されるだけじゃない?」


「あっ!」


「まったく、仕方ない……この手は使いたくなかったけど……」


 嫌だなぁあいつに頼むの……でも仕方ないわよね?私はスマホを取り出してある番号へ電話する……


「……あっ誠?……!って、あいつ切りやがったわね!」


再度掛け直す!


「……………早く出なさいよ!」


「真希、どこに掛けてるの?誠さんって誰?男なら紹介してくれない?」


「うるさいわね!黙ってなさい!」


「はい!ゴメンナサイ!」


 向かいの席でみどりがなんか言ってるけど、こっちはそれどころじゃないのよ。


「やっと出たわね!なに切ってんのよ!……うるさいわね過ぎたことをグチグチと。それより聞きたいことがあるのよ……」





◇ 結城 誠 Side ◇


 昼休みにスマホゲームのログインボーナスの受け取りと、デイリークエストの消化をやっていると着信を知らせる通知が出てきた。


「あいつ……なんの用だいまさら?面倒いな……」


 通話、即切り。

 すぐに再度着信の通知、長ぇな諦めろよ……まったく、あいかわらずだなこいつ……


「もしもし……いやお前が俺とはもう連絡しないって……うわぁ理不尽!あん?聞きたいこと?」


こいつがいまさら俺に連絡取ってまで聞きたいこと?


「はぁ?東主任?それならお前のほうがよく知ってるだろ?うわぁうるさいな。分かった分かった。今日は主任は有給取ってるだろうが、お前知らねぇの?」


 てか、本人に直接確認できないうえに、わざわざ俺に連絡入れて来て聞いてくるってことは……うわぁ、厄介事の匂いしかしねぇ。


「あん?なんのことだ?……そうか、もういいだろ?じゃあ切るぞ……はあ?今夜?いや用事ないけど……いやいや不味いだろ。だからお前もう会わないって事になったんじゃねえか……あ?友達も一緒?……分かった。後で連絡する」


嫌な予感ハンパねぇ……けど断れねぇよなぁ。







◆ 東 真希 Side ◆



「あんたウチの旦那が今日会社に来てんの知ってるわよね?……いいからあんたは聞かれたことに答えたらいいのよ!…………そう」


……有給ね、そう……そうね、念のため会社内に情報源は欲しいわね。


「ねぇ真希?その誠さん?よかったら紹介してくれない?聞いてる?」


「分かったわ、紹介してあげる。でも今夜よ?」


「了解、りょーかいよ!さすが真希さま!」


みどりにも恩は売っといたほうがいいわよね……


「なんでもないわ………ちょっと待って、今夜時間取れない?別に用事とかないでしょ?…………ふたりでじゃないわよ、友達も一緒よ。……分かったわ待ってるから」


 とりあえず約束は取り付けた……ホントは会いたくないけどそうも言ってられない気がする。

 

 伸吾だってたまには独りになりたいときが有るかも知れない、その為に私に内緒で有給を取って1日ゆっくりする。それがたまたま今日で偶然みどりに見つかった……それならそれで構わない。私が知ってるならね?

 私が管理してる範囲ならそうやって羽根を伸ばすのだって良いと思うのよ?知らない振りだってしてあげる。女絡みでなかったらね?


「あ、それとね?」


みどりが思い出したように呟く。


「なんか女の人と一緒にいたわよ?」


「先にそれを言いなさいよ!」





◇◆◇◆


お読みいただきありがとうございます。


幼馴染登場と旦那の浮気疑惑が出ましたね。

女の人の考え方がよくわからないので、真希さんの考えは彼女固有のものと思って読んでください。


次回も読んでいただけると嬉しいです。



宣伝!私の前作です。

寝取られから始まるラブストーリー?


https://kakuyomu.jp/works/16817330664277862919


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る