第8話
そんな地球と思えるような広大さの階層を探索していたある日、彼は尋常でない大きさの樹を発見する。
100km以上離れていてもその樹は確認できるほどの高さをしており、足元に広がる樹海がまるで芝生に見えるほどの馬鹿げたサイズであった。
彼はその樹を世界樹と仮称し、そこに向かい進んで行った。
世界樹の足元に広がる樹海はとてつもない広さと過酷さを持ち、アマゾンのジャングルや富士の樹海がまるでそこらの雑木林としか思えないほどであった。
数えるのが億劫になる程の生命が存在し、これまでの階層に存在した環境やモンスターが子供騙しと思えるほどの過酷さに、彼はより強くなれると子供のように興奮し、樹海から少し離れたところに仮拠点を作り、毎日樹海探索を行っていった。
この樹海では単純に強い肉食獣もやっかいだが、気付けば足元に這い寄っている植物や擬態能力に優れた昆虫の方が数倍もやっかいであった。
弱肉強食という言葉がそのまま環境になったかのようなこの樹海では、一瞬の油断が命取りであり、彼はこの樹海の動植物達からゆっくり時間をかけ、己の血肉とするべく強さを学んでいった。
探索に熱中するあまり、どれほどの時間ここにいたかは彼さえも把握していないが、彼はついに世界樹の根本へと到達した。
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