第7話

 ダンジョンは深く潜れば潜るほど広大になる。


 深層からさらに潜ると、強力という言葉では足りないほどの強いモンスターに加え、身一つで入れば数分後には命を失うであろう過酷な環境を相手にする必要がある。


 吹き荒れる熱風、火山弾や溶岩に気を配り、その環境に適応したモンスターを相手にする必要のある火山地帯。

 極寒と猛吹雪、方角さえ見失うホワイトアウト状態の中雪の中から襲いくるモンスターを相手にすることになる雪原地帯。

 全てのものが毒に侵され、呼吸さえまともに出来ない猛毒の湿原地帯。


 軽く例に出したものだけでも、まともな探索ができるような環境では無い。


 だが彼はその環境一つ一つと向き合い適応し、過酷な環境下でもゆったりと休憩を取れるほどの強さを身に付けていった。


 そんな彼でも現在の階層には苦戦していた。


 環境としてはそこまで過酷ではないにも関わらず、その広大さ故に次の階層へ進む為の道が見つからない。


 もう一つの地球に降り立ったと言われても納得してしまいそうな広大さに、人間がいなければこうなったと思えるような動植物の繁栄具合。


 その動植物達も深さに見合った尋常ではない強さを持ち、そこらの小鳥でさえダンジョンから出たら地球から文明というものを無くしてしまうのではないかと考えてしまうほどの強さを持っている。


 植物さえも一部を除きいわゆるトレントと呼ばれるような存在ばかりで、光合成だけで無く自ら他の動物を捕え、栄養にし成長していく。

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