白綿
うきわ
#0 20XX.XX.XX
玲佳はゆるりと瞬きをして、足元の邪魔な雪を蹴った。水分が少なめな雪は足元を舞い、ズボンの裾は少しだけ白くなってしまい、自分がやったことなのにひどく腹が立った。いつもはそんなことで腹が立ったりしないのに、今日そうなってしまったのはきっと彼の手に握られたカサリと音を立てた紙袋のせいなのだろう。袋の中には平たく大きめの箱が二つ入っていた。
息が、真っ白だ。
はるか遠くまで、限りなく白いその世界で、俺はたった1人で堕ちているようなそんな感覚に陥った。
ーーこれは、俺の人並みに幸せで、人並みに辛い、“普通”の人生の話。
白綿 うきわ @hiro_san__0731
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。白綿の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
関連小説
ネクスト掲載小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます